「日本好き=変態」と誤解され…隠れて勉強を続けた日本語
――バカに?
アメリア 「何でそんな珍しい言語の勉強するの? オタク過ぎる」って。今でこそ、『HUNTER×HUNTER』『鬼滅の刃』『ONE PIECE』『NARUTO -ナルト-』『ドラゴンボール』などの日本のアニメはポーランドで大人気ですが、当時はあまり知られていなかったんです。みんなが日本に持っていたイメージは“変態のアニメ”。“オタク文化”はタブー視されていたから、変な趣味だと思われて、いじめられていました。「変態のアニメが好きそう」って。いま言われてもショックだけど、子供の頃に言われたからもっとショックでした。
――日本語の勉強をやめようとは思いませんでしたか。
アメリア いいえ。小中高のときはずっと隠れて勉強していました。
――その甲斐あって、会話も読み書きもすごくお上手ですね。
アメリア 16歳で日本語能力試験のN2に合格しました。N1も2024年に合格しています。日本語能力試験はN5からN1まで5つのレベルがあって、N1が一番難しいんです。
――N1の問題は日本人でも難しいです。アメリアさんは日本語の他には何語が話せるんですか?
アメリア ポーランド語、英語、ドイツ語、フランス語、ロシア語が話せます。あと、韓国語も勉強中。
――7カ国語話せるってすごいですね。
アメリア 語学が趣味(笑)。好きなんです。
医師志望から転じてエンジニア、そして日本へ留学
――でも、子供の頃は医者志望だったんですよね?
アメリア はい。医者になろうと思って、高校1年時は科学を選択しました。
――何の医者になりたかったんですが?
アメリア 麻酔科医。でも、医者の仕事はすごい大変そうだし、労働時間も長いし、私は人と接するのが苦手なので、医者になったら患者さんに申し訳ないと思ったんです。だから、2年時の選択は数学に変えました。そこからはプログラマーやエンジニアを目指して、ヴロツワフ工科大学に進みました。専攻はビジネスエンジニア。そして、2年生の時に日本に留学できることになったんです。
――交換留学生的な?
アメリア そうです。たまたま大学から案内が来て、新しいことに挑戦したくて、何も考えずにすぐ登録しました。ポーランドの学生に人気の留学先はスペインなんです。日本は遠くて競争率が少ないから、すぐに通りました。
――どこの大学に通われたんですか。
アメリア 芝浦工業大学です。家賃が安いから、鶯谷に住んでいました。
――渋いですね。初めての日本はどんな印象でしたか。
アメリア 衝撃的でした。「ついに来た!」と思いました。東京はネオンや看板が多くて、キラキラ輝いてて——何もかもが整っていて、電車も静かだし、ホームで整然と並んで待つのも素晴らしい。それから、ヨーロッパに比べて、日本の空気を優しく感じました。ハーブ系というか自然っぽい香りがします。

