そこには、茫々たる草原が広がっていた。山口県美祢(みね)市、日本一のカルスト台地・秋吉台である。
緑鮮やかで起伏に富んだ草原の中に、ポツポツと白い岩がむき出しになっている。この台地のほとんどを構成している石灰岩が露出しているのだ。
ところどころにあるすり鉢状の大きな窪みは、ドリーネという。降った雨水は石灰岩の割れ目に沿って地下へと浸透してゆく。そのときに周囲の石灰岩を溶かすため、こうした窪みが形成されるのだ。
ほとんど草原になっていて木々が少ないのは、定期的に“山焼き”をしているからだ。古く秋吉台は牧草地で、その環境を保つために山焼きをしていたという。いまでは観光資源としてこの景観を保つことが目的になっているようだ。
訪れた日は、雲ひとつない真夏の1日。だが、ときに爽やかな風が草を揺らす。同じ35℃でも都心と秋吉台ではまるで違うのだ。草原に日陰などほとんどないにもかかわらず、過ごしやすく感じられる。
「ライオンやトラの表情もはっきり…」
そんな絶景の景勝地・秋吉台に連れてきてくれたのは、e-Paletteという小さなEVバスだ。
新幹線の新山口駅から路線バスに30分ほど揺られ、秋吉台観光交流センターで待っていたe-Paletteに乗り継いだ。美祢市観光協会の藤高正寿さんやガイドの田口明美さんに案内してもらいながら、秋吉台の展望台(現在工事中)、そして秋吉台の真ん中を抜けてその北にある秋吉台自然動物公園サファリランドまでをぐるりと周遊した。


