「賞のことはあんまり気にしないほうがいい」

 過去には救援投手が受賞するなど未達で受賞したケースもあるが、ここ5年のサイ・ヤング賞投手は全員規定投球回数(162回)をクリアしている。2025年のP・スキーンズ(ピッツバーグ・パイレーツ)は10勝10敗で獲得しており、勝敗はあまり関係がないとされるが、防御率1位の投手が獲得することが多い。つまりサイ・ヤング賞受賞には規定投球回数をクリアする必要があるわけだ。

「そういう基準もあるんでしょうが、サイ・ヤング賞は記録ではなく『記者投票』。そのためイメージに流されることが多い。なので翔平さんは賞のことはあんまり気にしないほうがいいんじゃないかなと僕は思っています。

 翔平さんはこれまでの基準で選ぶ賞という枠には当てはまらない規格外のプレーヤー。記者をはじめMLBが決める賞には値しない選手だと、そういう認識をしております。それに僕の中ではもうそれくらいの賞は獲っています。すでに翔平さんは僕が『ムネリン賞』を贈っていますんで。だからみなさんが個々に『ムネリン賞』のようなものをつくって、翔平さんを褒めてほしいと思います」

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 それでもサイ・ヤング賞とMVPの同時受賞を大谷は最後まで諦めきれないだろうが、過去の成績を振り返っても投打の両方を同時にきわめるのは簡単ではない。

 投手として規定投球回数を達成したエンゼルス時代の2022年は、166イニングを投げ、防御率2・33を記録。サイ・ヤング賞の投票で4位に入った。

 だが、打者として本塁打は前年の46本を大きく下回る34本に留まった。

 2度目のトミー・ジョン手術明けで打者に専念した2024年は、史上初の「50本塁打‒50盗塁」を達成した。キャリアハイとなる54本塁打、59盗塁をマークし、打率も3割1分を記録。DHで初のMVPを受賞した。

 2026年は2022年以来の本格的な二刀流だが、左膝と右肘に不安を抱えた状態での辛抱の時間が続いている。打者としても本塁打はリーグトップのK・シュワーバー(フィラデルフィア・フィリーズ)に10本近くの差をつけられている。この二刀流の肉体的負担について、川﨑はこう語る。