極道というと荒っぽい生活をイメージするかもしれませんが、普段は穏やかなものです。昼間はシノギに励み、夜は馴染みのお店に顔を出す。お店から守料(ボディーガード代)はいただいていましたが、その額以上のお金をお店に落としていました。
縄張り破りには暴力で…
ただ、ひとたび縄張り破りがあると話は変わります。
極道にとって、縄張りは命に代えても守らなければならないものです。部外者がやってきて、勝手に商売(ここでの商売は非合法なもの)をすることは許されません。
縄張りが荒らされたという情報が入ると、僕は現場に急行して業者を締め上げました。甘い顔をすると組織が舐められるので、相手をさらって痛めつけたこともあります。すべては組のためでした。
組織のために僕はトカレフ、38口径のピストル、さらに日本刀などの武器を手に入れました。極道の世界では、ピストルのことを「道具」と呼びます。自分の命と親分の命を守る道具となるからです。
何かトラブルが発生し、組織同士がゴタゴタしている際は懐に道具をしのばせ、本家に泊まり込むときもありました。また、総長の護衛で義理場(お祝いごとや葬式などの場)に行くときも、万が一に備えて道具を持っていきました。
縄張りを荒らすイラン人を…
あるとき、うちの縄張りでイラン人がシャブを売買しているとの情報を得ました。
僕は客のフリをして現場に行き、近づいてきたイラン人に道具を突きつけ、足元に一発ぶっぱなし、持っていたドラッグをすべて取り上げました。
そうやって何度も売人を襲撃するうちに、うちの縄張りにはイラン人の売人はひとりもいなくなりました。
