身銭を切っているからこそ休まない!
MOBY 授業を受けていると、「これハタチくらいの自分だったら、全然わからなかっただろうな」と感じることの連続です。当時わからないなりに一応聞いていたことがぼんやり頭に残っていたからこそ、今ようやく理解できるのかもしれませんが。
あとは自分の意思で身銭を切って学校に通っているわけだから、簡単に休まなくなる(笑)! リヴァプールに語学留学したとき、それを痛感しました。授業でいきなり英語でディベートが始まって、みんなすごく白熱しているのに僕は単語がひとつも聞き取れず、「マジかよ~!」となりましたけど、むしろやる気出ましたもん。
──普通なら一瞬でくじけそうな場面ですが……。
MOBY 劣等生からスタートするっていうのが、逆におもしろく感じたんですよね。「これは勉強しなきゃ!」とワクワクしたというか。
──大人だからこそ、「できない」場面も余裕を持って楽しめるわけですね。
MOBY ただ、やっぱり授業で吸収するスピードが若い人たちと比べると遅いんですよ。単純に記憶力が落ちているのもあるし、50年くらい生きてると、逆にいろんな知識に邪魔されて、新しい情報が素直に入ってこない場面もある。頭の中がぐちゃぐちゃになりますけど、本を読んでみたら急に整理されたりするのがおもしろい。
例えば、フランケンシュタインはあのツギハギの怪物の名前じゃないって知ってました? あの怪物を作った博士の名前がフランケンシュタインなんですよ。ゴシック文学の授業を受けたときに初めて知って、「『怪物くん』と違うじゃん!」って(笑)。
まずそこが驚きだったんですけど、さらに『フランケンシュタイン』の作者は女性だったんだとか、ジェンダー論やフェミニズム論といった文学理論を使った読み方が出来る作品なんだとか世界がどんどん広がっていって、そういうふうにいろいろ新鮮に学んでいる日々ですね。
考えてみれば僕って、「拾い集める」みたいなことが昔から好きだし、向いているんだと思います。
──拾い集める?