かつて繁華街のトラブル処理で暗躍した「ケツ持ち」の存在が消え、コンカフェや大手キャバクラが台頭する「池袋」。
暴力団や半グレとの付き合いがなくなり、クリーン化・健全化が進む一方で、客側には「昔の感覚で遊ぶと大変なことになる」という新たなリスクも生まれている。
街の健全化が進んだことで、逆に風俗トラブルが起こった際、客側に突きつけられる現実とは――。ライターの花田庚彦氏による新刊『池袋 裏の歩き方』より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目)
◆◆◆
店ではなく女の子につく客が増加
そうした情報化の影響で、最も変わったものが嬢の引き抜きに対する姿勢だという。
「昔は引き抜きってそれなりの話題になったんですよね。どこの店の誰が移ったとか、あそこの人気の子が抜かれたとか、街が狭いからすぐ噂になりました。昔は店の看板が強いから、人気の嬢を引き抜くことができれば、店の勢いを示すこともできた。だから、水面下でバチバチやってたわけです」
それが現在では、店の看板を気にしない客も増えているとのこと。
「いまって、SNSとかで女の子自身が発信できる時代じゃないですか。昔なら、お客さんはあのグループの店だから、あの系列の店だからって理由で行くところを選んでくれてたんですけど、いまはインスタとかXを見て決めちゃっている。女の子の発信を見て、その子自身に客としてつくっていう感じになりつつあります。そう考えると、かつてほど引き抜きに対して目くじらを立てる時代じゃなくなったって認識は、業界内でかなり広まっていると思います」
良くも悪くも、店よりも個人が主導する時代になったことで、夜の街のあり方は変わったようだ。
