――お兄さんや妹さんに対しても同じだったのでしょうか。

千歳 私が覚えている限りでは、暴力は私が1番多かったと思います。兄から「母にノートPCの液晶画面を破壊された」と聞いたこともありますけど、母は兄のことをいろいろ気にかけていた印象が強いんです。兄が先天性の病気と診断されたこともあって、母の矛先が私に向いていたのかなと思うことはありました。

母に投げつけられた大きなおもちゃが顔に当たり…

――5歳のとき、大きな怪我をしたそうですね。

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千歳 兄が雑誌の懸賞で当てた大きなおもちゃを、母に投げつけられたんです。寝る前で、みんなパジャマに着替えて、布団も敷いてある時間でした。ただ、何が理由で母が怒ったのかははっきり覚えていません。右の頬に当たって、血が出るような、見て分かる傷になりました。

3歳頃、両親離婚前の怪我をする前の姿(写真=本人提供)

――血が出たということですが、病院へは?

千歳 行かなかったです。手当てもせず、翌日普通に保育園に行きました。そうすると朝礼で先生に「その怪我、どうしたの?」と聞かれて、園長先生のところに連れていかれて。母が呼び出されました。

――その際、児童相談所などが介入したのでしょうか。

千歳 少なくとも私が知る限り、児童相談所に連絡されたことはありません。ただ、その日を境に身体的な暴力の頻度は落ちました。母と保育園の先生の間で、何らかのやり取りはあったのかもしれません。暴力は減りましたが、次第に家事をほとんどしてくれなくなったり、言葉で傷つけられたりすることが多くなりました。

©深野未季/文藝春秋

後遺症で「アゴがずれていく感じ」

――5歳のときの怪我で、後遺症も残ったそうですね。

千歳 外から見える傷自体はきれいに治ったんです。でも奥にある骨に影響があったようで、成長するうちにアゴの左右のバランスが崩れていったんです。片方の骨が小さいままで、もう片方が大きくなって、アゴがずれていく感じでした。

 小さい頃はそうでもなかったんですが、9、10歳ぐらいから見た目でも分かるようになりました。食事をするときにアゴが痛むこともあって、当時は顎関節症なのかなと思っていました。