――それだけダンスが好きだったんですね。

千歳 そうですね。成人してからダンス・バレエスクールに通っていたこともあります。

 やってみたいことは本当にたくさんありました。ダンスや歌だけじゃなくて、声優にも興味があったんです。家のテレビではアニメを見られなかったので、インターネットで『ローゼンメイデン』を見たり、声優の小倉唯さんの活動について調べたりしていました。

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 ほかにも保育士さんや学校の先生、美容や服飾にも興味がありました。でも、その中でもアイドルとして表舞台に立つことへの憧れは強かったです。

©深野未季/文藝春秋

「顔が変だな」「歪んでるね」成長するにつれ左右の顔のバランスが崩れ自分の顔が嫌いに

――そこまで憧れていたのに、なかなか人前に出られなかった理由は何だったのでしょう。

千歳 自分の容姿に自信がなかったんです。怪我の影響で、成長するにつれて顔の左右のバランスが崩れていって、9、10歳ぐらいから見た目でも分かるようになって、自分の顔が嫌いになりました。

 小学校中学年になると、クラスの男の子から「顔が変だな」「歪んでるね」とからかわれることがありました。写真にも写りたくなかったですね。小学4年生頃の写真を見ると、髪で顔の片側を隠しているものが多いんです。自分を隠すことに必死でした。

©深野未季/文藝春秋

――アイドルになりたいのに、自分の顔は見せたくない。つらいですね。

千歳 そうなんです。かわいいアイドルさんたちを見て、自分もあんなふうになりたいと思うんですけど「こんな顔だから、あまり前に出ない方がいいのかな」とも考えていました。笑顔もうまく作れないと思っていました。

「色黒だからディズニープリンセスは似合わない」母からの言葉

――ご家族から容姿について言われることもあったのでしょうか。

千歳 母からは、顔のパーツより肌の色について言われることが多かったです。私もプリンセスのドレスを着たいとワガママを言ったら、「色黒だからディズニープリンセスは似合わない」と言われました。「(『アラジン』の)ジャスミンならギリギリいけるんじゃない」と言われたこともあります。

 当時、モデル系のプリンセスのオーディションにも興味があったんですけど、それも似合わないと言われていました。笑った顔が気持ち悪いと言われたことも何度かあります。