10月11日(日曜)、東京・銀座にある単向街書店にイベントを見に行った。ここは近年になり都内で増えている中国系書店のひとつだ。これらの書店は単に本を売るだけではなく、在日中国人の知的な層の交流コミュニティの場としても機能している。コロナ禍の前後から、中国では社会の締め付けを嫌った富裕層や知識層が日本に移住する「潤日」現象が起きているのだが、そんな動きの産物として生まれた場ともいえる。
この日のイベントの題名は「私たちは日本を選んだが、子どもについてはどうすべきか」だった。日本で子育中の中国人女性2人の対談である。登壇した1人はまだ若い頃に来日し、苦労を重ねて成功。もう1人は、上海でのコロナ禍のロックダウンを経験し、すでに40歳前後になった数年前に日本に移住。日本のことはなにも知らないまま暮らし始めたという(おそらく日本語もできない)。いずれも中国の名門大学を卒業しており、経済力もありそうだ。
会場は満席、参加者は40人ほどだった。冒頭、登壇者が「いま子どもがいる人」と挙手を求めると、ほとんどの参加者が手を挙げた。日本で子育てをする中国人保護者が集結している場なのだ。
彼らがこのテーマに関心を持つ背景には、近年の日本の外国人政策の変化がある。なぜなら、「潤日(ルンリー)」と呼ばれる家族連れで来日するニューカマーの中国人に多い在留資格「経営・管理」が、2025年10月から資本金等の要件が従来の6倍と大幅に引き上げられた。永住や帰化の審査も厳格化し、日本社会では外国人の受け入れをめぐる世論の反発が……。実態をよりストレートに言えば、中国人を対象とした排斥感情が強まっている。
中国に見切りをつけて日本に移り住んだものの、この国にいつづけるべきか。子どもの世代はどうするか。親としては関心が強いテーマというわけだ。ちなみに前日に同じ場所で開かれたイベントのテーマは「二潤」(移住先の日本からの再移住)で、やはり盛況だった。
東京の保育園はタダで素晴らしい?
2人の話で興味深かったのは、日本の教育制度への評価である。

