かつては日本中の水族館で見られたラッコも、いまは鳥羽水族館(三重県)の「メイ」と「キラ」の2頭だけとなった。水族館のラッコが減っていくのと入れ替わるように、霧多布では2023年にメス4頭が出産するなど、繁殖が進んだ。

「ドローンを脅威に感じて…」

 貴重なラッコを一目見ようと多くの観光客が足を運ぶようになったが、人が集まるほど、ラッコを脅かす出来事も起きるように。

「2025年の春頃、ラッコが2ヶ月ほどあまり岬に近寄らなくなったんです。それ以前にも何度か同様のことがあったのですが、いずれも誰かが上空に飛ばしたドローンを脅威に感じたようです。ラッコにとって大きな音がする得体の知れない物体のドローンはとても怖い存在。マスメディアの撮影も含め、一律で禁止となっています」

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ラッコを見るための“5つのルール”

 浜中町が2021年7月に定めたのが、「ラッコ鑑賞に関する自主ルール」。ラッコに会いに行くなら、この5つを心に留めておきたい。

1. 船で近づかない
2. ラッコに餌をあげない
3. ドローンを飛ばさない
4. 声や騒音を出さない
5. 遊歩道以外に立ち入らない

 遊歩道が整備されている

「ドローンへの恐怖で近寄らなくなってしまったラッコも、その後徐々に戻ってきました。貴重なラッコを見に浜中町へきてくださるのはとても嬉しいので、ルールに沿って静かに見守っていただけたらなと。今年の3月と5月にも、無事に子どもが生まれたんですよ」

 ラッコの出産シーズンは春から夏にかけて。親子の姿を見るならその時期がおすすめだが、ラッコは一年を通して見ることができる。

実際に霧多布岬へ足を運ぶと…

「あっちの方にいますよ」。10月27日の夕方、文春オンライン編集部が足を運んだときも、先にいた人がそう教えてくれた。教えられた方向に目をこらすと、たしかにラッコが! 

 
 

 水面に仰向けになり、頭とおなかを見せながらぷかぷかと泳いでいる。つぶらな瞳と、時折、両手で頭を抱えるような仕草がたまらなく愛らしい。