「頭の中でほぼ完璧にできている」

 全ゲーム作家が追い求める間口の広さと奥深さの両立。桜井政博にそれが実現できるのは、まず「そのように設計」し、それを「可能な限り実現」させるからだ。ここが桜井政博のもっとも特別な部分である。

 任天堂の元社長であり、ハル研究所時代は直属の上司でもあった岩田聡(故人)は、桜井を評して「ものがまったくできていないときに完成イメージが頭の中でほぼ完璧にできている人」と語った。ゲームの開発は大規模でさまざまな要素が複雑に絡み合う。そのはじまりに桜井はまず完全に近い企画書をつくる。ここにまず才能がある。精度の高い完成形をイメージして仕様に落とし込み、そこに向けて開発チームを率いていく。彼は全仕様が入り切らないことすら計算に入れたうえで優先順位を定め、イメージした完成形へゲームを誠実に近づけていく。

『週刊ファミ通』の編集者だった永田泰大氏(本人提供)

 また、桜井政博の特別さには第三のフェーズがある。彼の仕事は作品の発売をもって終わらない。追加コンテンツの開発等はゲーム開発の一環に含めるとしても、それ以外にたとえば彼はゲームの攻略サイトを作ったりする。特別な画面写真を撮影したり解説の動画を配信したりする。しかもそれがすべて専門メディアを超える品質を持つ。

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※全文は、月刊文藝春秋のウェブメディア『文藝春秋PLUS』と『文藝春秋』2026年11月号に掲載されています(永田泰大「桜井政博 私財をなげうつゲーム作りの天才」)。

文藝春秋

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桜井政博 私財をなげうつゲーム作りの天才

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出典元

文藝春秋

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