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検診が有効な4つのがんと「南雲式乳房自己検診法」

2019/03/01

早期発見・治療が難しいとされるがん。
しかし、検診は必ずしも無意味ではない。
特に4つのがんは検診が有効であり、
乳がんには日常生活の中でできる
自己検診法もあるのだ。

◆◆◆

 この章ではこれまで、50歳を超えても、がんにならないための考え方や生き方を解説してきました。その最終稿である本稿は、「効率的な検診の受け方」について考えてみましょう。

 小まめに検診や人間ドックを受けていれば、がんを早期発見・早期治療できると考えている方はがっかりするかもしれませんが、早期発見が可能ながんは、実は非常に少ない。

 この章のはじめにいいましたが、私たちの体は一個の生殖細胞が細胞分裂して増えてできたものです。

 同じようにがんも一個のがん細胞が細胞分裂して大きくなります。

 一個の細胞の大きさは0.01ミリ。10回分裂すると数は1000倍、大きさは10倍になりますので0.1ミリです。

 20回分裂で1ミリ。どんな検診をしてもこの大きさでは見つかりません。

 30回分裂で1センチ。ようやく検診で見つかる大きさになりました。

 40回分裂で10センチ。とっくに手遅れの大きさです。

©iStock.com

「スピードがん」は検診より予防

 つまり毎年検診をしていても、去年の段階では見つからず、今年の段階では手遅れのことが多いのです。

 がんの発育が遅く、また大きくなってもまわりに飛び散らない「ゆっくりがん」は、検診で見つければ助かります。

 しかし肺がんや膵臓がんのように、ほとんどのがんは発育が早く、まわりに飛び散りやすい「スピードがん」なので検診は意味がなく、生活習慣を改善して予防に努めるほうが、よほど重要なのです。

 たとえば肺がんを見つけるために毎年肺のエックス線を撮っても、精度が低いので見つかりません。肺のCTは精度が高いのですが、それでも見つかったときは大体手遅れなので、それよりも禁煙をした方がいいのです。

 ならば、がん検診はまったく意味がないのかと言えば、そんなことはありません。

 4つのがんについては、検診によって早期発見が可能であり、早期治療によって命を救えることが明らかになっています。

 その4つのがんとは、乳がん、大腸がん、子宮頸がん、そして胃がんです。