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 まず乳がんですが、これはマンモグラフィーというエックス線による画像検査が有効です。

 2枚の板で乳房を挟んでエックス線を照射する方法で、脂肪はエックス線をよく通すので、異常がなければ画像上の乳房は黒く映ります。しかし、エックス線を通さないがんがあると、そこだけ白く浮き上がって見えるのです。

 国もこの検査の有効性を認めていて、40歳以上の女性に対してマンモグラフィーを使った検診を受けるように呼びかけています。

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 2つ目の大腸がんは、早期発見に役立つ検査として、「便潜血検査」があります。これは採取した便に試験紙を反応させて調べるもので、便に血液が含まれていると、大腸がんや直腸がんが疑われることになります。

 3つ目の子宮頸がんは、子宮の入り口に近い部分(子宮頸部)にできる病気で、その奥の子宮本体にできる子宮体がんとは区別されます。

 子宮頸がんについては、子宮の入り口付近の粘膜の細胞を綿棒などで軽く擦って顕微鏡で見ることで、がんの有無を確認することができます。

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 そして最後の胃がんの検査法は、いわゆる「バリウム検査」。

 バリウムという造影剤を飲んで胃の壁面を覆い、そこにエックス線を当てることで胃の形状を画像で確認する方法です。

 実はこの胃がんのスクリーニング法としてバリウム検査が認められているのは日本だけです。

 これは、日本では古くから井戸水を飲んでいたためピロリ菌が多く、胃がんになる割合が高かったことによるものです。

乳がんには自己検診が有効

 これら4つのがんは、がんの遺伝的要素や、がんになりやすい生活因子がない人達にも、検診の有効性が科学的に証明されています。

 ならばこの4つのがんについては、検診を受けていれば安心できるのでしょうか。いえ、必ずしもそうとは言えません。

 たとえば乳がんのマンモグラフィーは、糖質の摂取量の多さから発生頻度の高いアメリカにおいては早期発見に役立ちますが、日本人はアメリカ人ほど乳がんが多くありません。

 しかも、相対的に胸の小さな日本人は、胸の大きな欧米人に較べて、マンモグラフィーでも鮮明な画像が得にくいという問題があります。

 加えて日本では乳がんを専門とする医師が少ないため、画像を的確に読影する技術を持つ医師の数が十分ではありません。

 そのため毎年検診をしていたのに見つかったときは進行がんということが起きます。