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検診が有効な4つのがんと「南雲式乳房自己検診法」

2019/03/01
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 それを避けるためには少しでも怪しければ針をさして組織を取る針生検をすることになります。

 これをすれば1000人中数人の乳がんが見つかりますが、そのかわりにほぼ1000人のがんでない人に針を刺さなければなりません。

 では、どうすれば自分の身を守れるのでしょう。乳がんについては、「自己検診」が最も重要な取り組みと言えます。

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 乳房はホルモンの周期の影響を受けるので、生理前は胸が張っています。しかし、生理から5日目ぐらいになると胸が柔らかくなってくるため、自己検診をしやすくなります。

 検査法は、掌で乳房を撫でるように押さえてしこりの有無を確認するだけで簡単なのですが、だんだんあきてしまって長続きしない人が多いのです。

 そこで私は「南雲式乳房自己検診法」を提唱しています。

 モチベーションを維持するため、乳がん発見ではなく、肌の若さを保つことを目的にするのです。

©iStock.com

 体を洗うときナイロンタオルやスポンジを使って、それをお湯ですすぐと、白い垢が浮いてきます。

 ほとんどの人はこれを汚れだと思っていますが、実はこれ、角質、皮脂、善玉菌からなる皮膚の保護膜なのです。つまり、タオルでゴシゴシ擦るということは、皮膚のバリヤを破壊して、感染症やアレルギーになりやすく、また老化させているのです。

 手のひらで石鹸を泡立てて、体中を撫で洗いすれば、皮膚の保護膜は維持され、若々しい肌を維持できるうえに、胸のしこりや腋の下のリンパ節の腫れ、ときには首や鼠蹊部のしこりを見つけることができます。それが乳がんをはじめ、白血病やリンパ腫、さらには甲状腺がんなどの早期発見につながるのです。

感染症治療、禁煙、生活改善

 乳がんと違って自己検診ができないがんに対しては、原因別に対応します。

 すでに述べたようにがんの原因は次の3つです。

1.感染症:胃がん(ピロリ菌)、子宮頸がん(ヒトパピローマウイルス)、肝がん(肝炎ウイルス) 
2.タバコ:咽頭喉頭がん、肺がん、食道がん、胃がん 
3.糖質、肥満:閉経後の乳がん、子宮体がん、卵巣がん、前立腺がん、大腸がん

 こうした条件に当てはまる人は、まず感染症を治療し、禁煙し、食生活や体型を改善しましょう。

 そのうえで、当てはまるがんの検診を毎年受けるようにしましょう。

 がんをいたずらに恐れたり憎んだりする前に、自らの生活習慣を改善して「がんにならないための方法」を実践してほしいと思います。

検診が有効な4つのがんと「南雲式乳房自己検診法」

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