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「下町ロケット」吉川晃司 「財前部長役のきっかけは無人島サバイバル企画だった」

吉川晃司(ロックミュージシャン、俳優)――クローズアップ

2018/11/11
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吉川晃司と財前部長の“共通点”

 現在、3年ぶりの続編が放送されているが、その第1話で、財前はこれまで精魂を傾けてきたロケット事業から外された。帝国重工の業績の悪化で、良き理解者である藤間社長の立場も危うくなっていた。そんな状況にも関わらず、藤間は財前に「諦めるな」と力強く励ましの言葉を贈る。

「実生活で謝るのは苦手だけど(笑)、第1話の財前は、ずっと謝ってばかりでしたね。杉さんとのシーンはよく『時代劇みたいだ』って言われるんだけど、演出のジャイさん(福澤克雄)も狙ってやっているんだと思いますよ。新シリーズの撮影は杉さんと一緒のシーンから始まったんですが、それが僕にとっては、すごく良かった。やっぱりあの方がいらっしゃると、現場の空気がパキッと締まるんです。醸すものが違いますしね」

 続編のキャッチフレーズは「宇宙(そら)から大地へ!」。より具体的には、ロケットから農業機械へ、ということになる。

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吉川晃司さん

「このテーマに共感しました。いま、まさに世界規模で考えるべき問題でしょう。僕はもともと農家や漁師の方々を世の中でいちばん尊敬しています。新シリーズでは、そういったところに光を当てようとしているのが、とても素敵だなと。『下町ロケット』が常に日本の技術者のレベルの高さにこだわっている点も、大事なことだと感じています」

 我が道を歩み続けてきた吉川さんと、企業戦士・財前。両者は大きく異なるようで、その“思い”に確かな接点があった。決して諦めなかった財前の、捲土重来の時は近い。今後の『下町ロケット』の展開に、大いに注目したい。

きっかわこうじ/1965年生まれ、広島県出身。84年、映画『すかんぴんウォーク』と、その主題歌「モニカ」でデビュー。88年、ギタリスト布袋寅泰とのユニットCOMPLEXを結成。その後ソロとして、作詞、作曲、プロデュースを自ら手がける。19年春公開の映画『ある町の高い煙突』に出演決定。

INFORMATION

日曜劇場『下町ロケット
https://www.tbs.co.jp/shitamachi_rocket/

「下町ロケット」吉川晃司 「財前部長役のきっかけは無人島サバイバル企画だった」

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