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「ファームは面白いです。何より選手と距離が近い」

 良い話だけだと少し悔しいので、意地悪な質問もぶつけて見た。育成主体の希望に満ちた選手と、今回のT-岡田や安達のように悔しさと再起への誓いでここにいる選手。同じフィールドで戦うにはあまりに環境と境遇の違う選手がいるのだから、選手達と接する事が実は意外に難しいのではないかと、ふと思ったのだ。意地悪というか、本当はそこが聞いてみたかった所なのかもしれない。しかし、彼は迷わず口にした。

「その辺で接し方に迷う事は確かにあります。でも、いかに境遇の違う彼らでも目指す場所は同じ、みんな1軍のグラウンドなんです。そう言った意味では僕らにできる事は限られています。選手達が1軍に上がる事を全力でサポートする、実はそれだけなんですよ」

 夕暮れの舞洲の太陽のせいか、何とも彼の笑顔に深みが増す。

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「選手達が1軍に上がる事を全力でサポートする、実はそれだけなんですよ」 ©DOMI

「DOMIさん、ファームは面白いです。何より選手と距離が近い! グラウンドレベルまでの距離もそうなんですがサイン会やハイタッチ、お出迎え等、1軍では決して実現出来ないようなファンサービスがここにはあります。是非みなさんで観戦に来て頂けるようDOMIさんも色々な人に宣伝して下さいね」

 確かに。驚くようなファンサービスが京セラのみならず舞洲にも溢れていて流石ORIXだと感心した。

「ウチのファーム観戦は有料なので、ファームを無料で開放している球団さんとはサービスの充実が違います! 自信を持って言えますよ」

 う~ん、最後の一言まで流石ORIX。1軍からファームまでぶれない姿勢がやはり素敵である。

 舞洲を後にする際、 今日のT-岡田の3点タイムリーを思い出した自分は少しニヤついていたかもしれない。うん、確かにファームは面白い。また文春コラムのネタを探して舞洲を訪れる事としよう。しばらくはT-岡田と安達の京セラでの元気なプレーを待ちわびる、そんなライトスタンドへの土産話でも探す事にしようか。

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