60歳になると親からの相続、子どもへの相続の両方を考える必要が生じる。元気なうちに取り組んでおきたい遺言書の準備、お得な贈与の方法、税務調査を避ける目録の作成法などを識者に取材した相続完全マニュアル。
◾️連載「60歳から変えよう!」
#2 健康診断の生かし方7則
#3 食事を変える6則
#4 病を防ぐ運動6則
#5 薬を減らす7則
#6 最高の睡眠7則
#7 住み替える6則
#8 リフォーム5則
#10 今回はこちら
❶両準備のはじめ時。切り出し方は?
「60代は相続にとって重要な時期です。年齢的に親から自分への相続、自分から子どもへの相続の準備という2つの相続が重なるためです。定年で時間に余裕ができた60歳から、同時に進めるのがよいでしょう」
こう語るのは、介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子氏だ。
「私自身も63歳になり、友人の多くが親からの相続と子どもへの相続の2つを抱えている真っただ中です。中でもハードルが高いのは、親にすべての財産を聞くことと遺言を書いてもらうことですね」(同前)
司法書士の清水歩氏も、60歳からの相続準備の重要性を説明する。
「仮に両親と子ども2人の4人家族の場合、父親が亡くなって相続が始まると、何よりも最優先されるのは父親本人の遺言書です。遺言書がない場合は、妻と子ども2人が参加する遺産分割協議の場で、財産の分け方などを話し合うことになりますが、スムーズにいかないことも多い」
故人の意思を記した遺言書は“争族”を避けるためにも大切なものだ。
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source : 週刊文春 2024年12月19日号