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実績ゼロで入部した中央大学・中山顕が箱根駅伝の1区で走るまでーー雑草たちの箱根駅伝 #1

入学当初は「C」のロゴの入ったウエアを着ることもできなかった

2019/01/22

箱根の次は、世界へ

 卒業後は、マラソン前日本記録保持者の設楽悠太らが所属する実業団の強豪・ホンダに就職し、マラソンランナーとして世界を目指す。

 夢だった箱根駅伝を越えて、日の丸を目指すレベルまでたどり着いた。今、振り返ると、自分でも不思議な気持ちになるという。

「高校時代のままなら薬剤師になっていたわけですし(笑)。一回でいいから箱根に出たいと思っていたのが、実業団まで競技を続けられるなんて、想像すらしていなかった。長い距離は好きなので、次のパリ、ロスあたりの五輪でマラソン日本代表を目指せればいいかなと思っています。もちろんまだまだ届かないところですけど、大学に入った時に『箱根に出たい』と強い気持ちでいた時のように、新たな夢に向かって頑張りたいなと思います」

 だからこそ、これから箱根という夢舞台を目指す高校生・中学生には、限界を恐れずに挑戦してほしいと語る。

「自分もそうだったんですけど、『箱根なんて無理』と思って、挑戦しないで諦めちゃうのはもったいないなと思います。自分も挑戦したからこそ、箱根という夢舞台を走れた。そういう夢があるなら追い続けることは意味があると思います。もちろん叶うかはわからない。でも、挑戦すること自体に意味はあると思うし、やってほしいなと思います。長距離って他の種目と比べて、才能よりも努力や気持ちが占める割合がすごく大きい。自分の可能性を信じてほしいと思います」

 そう語る中山の目線は、もうすでに先を見据えているように見えた。

写真=白澤正/文藝春秋

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