これもまたアメリカンドリームと呼ぶべきか。
ロバート・ロドリゲスの監督デビュー作『エル・マリアッチ』の製作費は、治験バイトなどでかき集めた7000ドル(約76万円)だった。だが、それから27年を経て公開される最新作『アリータ:バトル・エンジェル』はジェームズ・キャメロン級の超大作だ。キャメロン級と言うのは文字通りで、もともとキャメロンは、自分で監督するつもりで木城ゆきとの原作漫画『銃夢(ガンム)』の映画化権を買っていた。
「ジム(キャメロン監督)は、『アバター』の前に『アリータ~』を作るつもりだった。でも、『アリータ~』の脚本が完成しないうちに『アバター』の準備ができてしまった。そして『アバター』は映画史上最大のヒットとなり、続編ができることになった」
しかも、続編は4本。それらを立て続けに撮るとなれば、キャメロンは今後「アバター」だけで手一杯となる。
「僕は彼の大ファンで、20年来の友達。それで、『アリータ~』はどうするつもりなのか聞いてみた。すると彼は、ビジュアルコンセプトや大幅な短縮が必要な脚本を見せてくれて、『満足のいく脚本に仕上げられるなら、君が作ってよ』と言ったんだ。そして僕は『夏休みの宿題にします』と、持ち帰ったのさ」