「この作品は私にとっては“夢”です。世の中は常にビジネスと夢とが混在していますよね。そんな中、『おいしい給食』シリーズの制作チームの方針は最初からずっと変わっていません。やりたいことをやる。それは、エンターテインメントの本質で根源、喜んでくれるお客様のために続けるということです。まさか、こんなに長く続くとは思っていませんでしたが(笑)」

 映画『おいしい給食 炎の修学旅行』(綾部真弥監督)に主演した市原隼人さん。シリーズとしては劇場版第4作となる本作に感慨深げな表情を浮かべた。

市原隼人さん/ヘアメイク:大森裕行(VANITÉS)、スタイリスト:小野和美

「今回は修学旅行編。初めて学校を飛び出して青森・岩手を訪れました。東北にはおいしい食べ物がたくさんあって……」という話に移る前に、本シリーズの概要を説明しよう。

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「おいしい給食」と甘利田の魅力

 物語の主人公は中学教師の甘利田幸男(あまりだゆきお)。彼は給食をこよなく愛している。愛しすぎている。というのも、子どもの頃から彼にとっては学校給食が1日のうちで唯一まともでおいしい食事だったのだ。ゆえに教師となってからも毎日、給食をウキウキワクワク待ち望み、それを余さず堪能するのを生きがいにしている。ところが、彼の前に思わぬライバルが出現。自分とは異なるアプローチで給食を愛する“給食マニア”の生徒たちに甘利田は翻弄され、敵対し、導かれ……。これは、そんな彼らの闘いの記録を綴った給食讃歌なのである――というのが、2019年にテレビドラマとしてスタートした学園グルメコメディ「おいしい給食」シリーズのあらすじだ。

「最初は、ローカル十数局のみでの放送でした。それがありがたいことに口コミでだんだん広がっていって、テレビでは3シーズンを放送、劇場版はこれで4本目に。原作のないオリジナル作品としてはかなり珍しい例だと思いますが、それだけ皆様に愛されるシリーズに成長したということで、とても光栄です。甘利田のあの激しい動きを、いつまでできるかわかりませんが、できる限りは続けていきたいです」と、市原さん。