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日本の労働生産性は先進7カ国で最下位 原因は「がんばってしまうこと」にあり

著者は語る 『がんばらない働き方』(ピョートル・フェリクス・グジバチ 著)

note

人はできない言い訳を始めてしまう

「本当にそうですか? 会社は人の集まりです。いかに人を巻き込んで自分がやろうとしてることが皆にとって望ましいか、確認をしながら影響を与えるということが大事だと思います。それができないのは、ローカス・オブ・コントロール(「統制の所在」※社会心理学用語)の問題です。行動や評価の原因を会社や環境など外部に求めてしまうと、人はできない言い訳を始めてしまうんです。自分で壁を作らなければ、上司や会社も案外すんなり受け容れてくれるものですよ」

ピョートル・フェリクス・グジバチさん

 ピョートルさんは人との付き合い方も徹底している。たとえばポーランドに帰郷しても、小学校の同級生とは、ただ懐かしい、という理由では会わない。お互いに話して「新たな価値を生む」と考える相手により多くの時間を割くためだ。

 ここまでするのには理由がある。ピョートルさんは自身のビジョンを「誰もが自己実現できる世界をつくること」と定めており、そのために行動しているからだ。本書の第7章では、幸せに働くためにはどうすればいいか、が説かれている。

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「その答えは人それぞれのはずです。人によって性格はぜんぜん違いますからね。僕は自由を愛しますが、規律を愛する人もいます。アクションを起こして、自分が何に喜び、何に腹を立てるのか、よく知ってください。それが人生のミッションを見つける端緒になります。

『働き方』というタイトルの本ですが、働いている人だけでなく、たとえば専業主婦の方にも読んで頂ければ気付きが多いかもしれません。ミッションに従って、何をしないかを決め、そして大きなインパクトを与えることに注力すれば、どんな人でも世界に価値を与えられると思いますよ」

ピョートル・フェリクス・グジバチ/プロノイア・グループ株式会社代表取締役。ポーランド生まれ。2000年に来日し、ベルリッツ、モルガン・スタンレーを経て、11年にGoogleに入社、人材育成と組織開発、リーダーシップ開発の分野で活躍。15年に独立し、現職。

ゼロから“イチ"を生み出せる! がんばらない働き方

ピョートル・フェリクス・グジバチ

青春出版社

2019年1月10日 発売

日本の労働生産性は先進7カ国で最下位 原因は「がんばってしまうこと」にあり

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