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特集観る将棋、読む将棋

2019/04/01

■史上最年少棋士――仲邑菫さんはいかにして10歳でプロになった?

<史上最年少棋士>
将棋→藤井聡太の14歳2カ月
囲碁→仲邑菫の10歳0カ月

 藤井聡太は、2016年にプロ棋士になった。14歳2カ月での四段昇段は史上最年少記録で、加藤一二三九段の14歳7カ月の記録を更新した。

 将棋界のプロ制度は、棋士と女流棋士に分かれ、参加棋戦も別々。女流棋士のタイトルホルダーなどは、棋士の棋戦にも参加できる

 棋士になるには、奨励会を抜けるか、アマチュア代表としてプロ棋戦に出場し、規定の成績を収めてプロ編入試験を受けないといけない。女流棋士は、研修会(アマ初段~五段クラス)で規定の成績を上げる、奨励会から編入、アマチュア代表として女流棋戦で上位に勝ち進んでプロ入りなどの方法がある。女流棋士の史上最年少記録は、藤田綾現女流二段の11歳6カ月。

14歳でプロ入りし、2017年度、18年度、朝日杯連覇を達成した藤井聡太七段 ©文藝春秋

 一方、囲碁界のプロ制度は、男女で分かれておらず、通常は入段試験をへて、プロ入りする。4月1日付けでプロ入りした仲邑菫さんは、入段試験を受けていない。

「仲邑菫さんは、『英才特別採用推薦棋士制度』でプロ入りを決めました。試験には井山裕太五冠や張栩(チョウ・ウ)名人との試験碁があり、実力のお墨付きをもらっています。この制度は採用人数が決まっておらず、その時々で判断が必要になるから難しいと思いますが、囲碁界に新風を送るために誕生しました。日本棋院の小林覚副理事長は『中韓には、女性のほうが追いつきやすい。若いうちからプロになって、力をつけてほしい』と話していました。もし将棋界でこういう制度を作ろうとしても、『実力で突破して』と反対意見が多いでしょう」

 将棋は日本にしかプロ制度がないが、囲碁は中国、韓国、台湾にもあり、国ごとに分かれている。日本は中韓を追いかける立場だ。

「仲邑菫さんの前は、藤沢里菜さん(現女流三冠)の11歳6カ月(2010年4月1日付)が最年少記録で、彼女は『女流特別採用』という枠でした。普通の入段枠以外に、女流を毎年ひとり採用する制度です。基本的に男女の待遇は同じですが、女性は女流棋戦の分だけ参加棋戦が多くなります。

 今年1月、藤沢里菜さんが七大タイトル戦の本戦(ベスト32)で、女性として初めて勝利したのが話題になりました」

2010年に11歳6カ月でプロ入りした藤沢里菜現女流三冠 ©文藝春秋