菫さんもプロの世界に入ることで強くなる?
将棋も囲碁も、競技人口は男性が多く、トップ棋士は男性。だが、年々、女性の棋士が増えるにつれて、レベルが上がってきた。
ちなみに、将棋の公式戦で女性の最高戦績は、2003年度のNHK杯将棋トーナメントで、当時の中井広恵女流三冠が残したベスト16。現女流棋界で最強の里見香奈女流四冠は、2018年度の男性の棋戦で7勝8敗の成績を収めている。
「女流採用枠ではなく、いわゆる正規の入段試験だと、いちばんの年少記録は趙治勲さん(チョウ・チクン、現二十五世本因坊治勲)の11歳9カ月(1968年プロ入り)。日本棋院と関西棋院は少し試験制度が違い、関西棋院だと村川大介さん(現八段)の11歳10カ月(2002年11月1日付)です。村川さんはデビューのころはなかなか勝てなかったんですけど、のちに七大タイトルの王座を獲得しています。
私の主観ですが、最初は弱くても、プロの世界に入ると強くなるもんだと思います。真剣勝負を重ね、場慣れするからでしょう。ただ、やっぱり小学生だと、負け続けたら精神的なショックが大きいかもしれない。仲邑菫さんがどうなるかは注目ですね。
ちなみに、中国と韓国もそれぞれ、プロ制度が違うので、一概には比べられないのですが、史上最年少棋士の年齢はそこまで変わりません」
■最年長棋士――97歳まで現役だった囲碁棋士がいた
<史上最年長棋士>
将棋→加藤一二三九段の77歳6カ月
囲碁→故・杉内雅男九段の97歳1カ月
将棋界の引退は、「順位戦」の成績が大きく関係している。順位戦は5つのクラスに分かれてリーグ戦を行い、昇級者と降級者を決める。最高クラスのA級で優勝した棋士は、名人に挑戦できる。一番下のクラスはC級2組で、降級点を3つ取るとフリークラスに降級する。フリークラスに落ちると、10年の間に規定の成績を挙げないとC級2組に復帰できず、引退決定だ。また、フリークラスの定年は60歳。60歳以上の棋士はフリークラスに陥落すると、そのまま引退となる。
史上最年長の現役棋士の記録を樹立したのは、1940年生まれの加藤一二三九段。1954年にプロ入りし、2017年に引退した。タイトル獲得は8期、棋戦優勝は23回。
囲碁界の史上最年長記録は、故・杉内雅男九段の97歳1カ月。1920年(大正9年)生まれで、2017年11月、現役のまま逝去した。