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「千鳥弁当」で大阪のロケ全体が面白くなった

山内 僕、吉本に入る前に一回客で見に行ったことがあって。行った時がたまたま千鳥さんだったんですけど。お客さんからのハガキを読むコーナーで、「ノブさんは私の友達と遊んでます」みたいな暴露系になった時に、ノブさんがすごい剣幕で「誰や、これ。殺すからな」って言ってた。メッチャおもろい人がおる……って。「ほんとに殺すからな」ってずっと言ってるんですよ。僕はあんまり人を見て面白いと思わなかったんですけど、初めて「エッ、メッチャおもろい人おるやん」と思ったのが千鳥のお二人。僕的には千鳥さんダントツでおもろいなって思ってて、そんな千鳥さんがちゃんと売れてはるんで、やっぱりみんながおもろいと思うライン、合ってんねんなって。あれで千鳥さんが売れてなかったら、俺の面白い感覚ズレてるのかなと思ってたと思うんですけど。

濱家 ほんまやな。

山内 千鳥さんが『せやねん!』(毎日放送)で「千鳥弁当」というコーナーを始めて、それまで情報系のロケでふざけるなんて考えられなかった。それをあの二人がやったことで大阪のロケ全体が面白くなった。

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濱家 パイオニア的なところがあります。

山内 パイオニアやな。ほんまに。

濱家 大阪の若手が今、もちろん賞レースも目指すんですけど、それと同じぐらい「ロケ行きたい、ロケ行きたい」ってみんな言う。それは、ロケでふざけたら自分たちの面白さを出せるから。でも千鳥さん以前は、ロケは芸人の仕事じゃないっていうスタンスやったんです。うまいものを食うて「うまい」とか、芸人はみんな嫌々やってるという。千鳥さん以降、やっぱり変わりましたね。

――しかも千鳥さんはM-1でパーンと出てきたわけではない。

濱家 だからすごいですよ。マジで。

山内 さも取ったような雰囲気出してますけど、何一つ。

濱家 ノーホルダーなんですよ。

山内 一つも取ってない。

 

――インタビューは以上です。ありがとうございます。これから、『ヘイ!タクシー!』の収録ですよね。

濱家 息抜きの仕事行ってきます。

山内 これだけは言いたい。千鳥さんは一つも取ってない!!

(編集部註・千鳥さんは第48回上方漫才大賞を受賞されています)

 

写真=深野未季/文藝春秋

かまいたち/山内健司(1981年生まれ、島根出身)と濱家隆一(1983年生まれ、大阪府出身)が2004年に結成。かけだしの頃から注目を集め、07年に「ABCお笑い新人グランプリ」(第28回)最優秀新人賞を受賞。「キングオブコント2017」(第10回)で優勝、2018年から東京進出を果たす。今年、初となる全国ツアー『コンビ結成15周年いたち~素直・謙虚・感謝~』を5都市で開催する。

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