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「炒めたタマネギ」で性欲を高める――ヒトは何歳までセックスできるのか?

日本男児肉食化の鍵を検証する

source : 週刊文春 2012年7月19月号

genre : ライフ, ライフスタイル, 医療, ヘルス, 社会

note

第二の人生をバラ色にする方法

 日本人の平均は、指比0.95である。小泉元首相は、案の定、日本人の最高レベル0.88であった。

 ところが──。『ヒトは何歳までセックスできるのか?――漢方医学では「男64歳、女49歳限界説」も #1』で紹介した77歳にして朝立ちも性生活もあるアナウンサーの山本文郎さんは、人差し指の方が長い。低いテストステロンを下げることなく維持してきたと思われるが、山本さんに秘訣があるのか聞いてみた。

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「僕が小学生の時、軍医だった父は広島で被爆して死にました。死ぬ間際にこう言われたんです。『一人っ子で悪かったね』と。そして、『人は一人では生きていけないから友達を大切にしなさい』というのが遺言でした。僕は最初の妻を病気で亡くし、70歳を過ぎてから30離れた子連れの女房と再婚した。こいつらのために働くぞという責任感から、健康も気遣う。それが生き甲斐だからまた青春が蘇った(笑)。僕は伴侶をなくした70代に言うんです。『再婚しろ、バラ色になるぞ』って」

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 堀江教授のいう「ワクワクすること、仲間をつくること」を生涯続けてきた結果なのだろう。

生殖行為と長寿の関係

 50年以上にわたって「ホルモン療法」を提唱してきたのは、メンズヘルスのパイオニア、札幌医科大学の熊本悦明名誉教授である。長年、学会の重鎮たちから「男に更年期などあるわけない」と批判され、ようやく熊本氏の研究が世界の医学会で潮流となったのは、ここ数年である。

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 熊本氏はこう言う。

「私たちに男性ホルモンが与えられている理由は2つ。生命の維持と生命の伝承です。

 50代になれば、男は男性ホルモンが減る。昔なら50歳で命が尽きたからそれで良かった。しかし、生殖行為を終えた後も、医学の発達で、長く生きたいと思うようになり、それは可能になった。我々は50歳からの人生の第2ステージを手に入れたのです」

 その時、私たちは長寿にどう立ち向かうか。それが現代医学が目指すアンチエイジングという最終目標である。

次回は「セックスのゴールデンタイム」に迫る

連載「ヒトは何歳までセックスできるのか?」記事一覧

■漢方医学では「男64歳、女49歳限界説」も
前編:ヒトは何歳までセックスできるのか?
後編:「定期的にバイアグラ」性のアンチエイジングが寿命を延ばす理由

■日本男児肉食化の鍵を検証する
前編:あなたの男性力は「巻き尺」で測れる
後編:「炒めたタマネギ」で性欲を高める

■性交を成功させる「ゴールデンタイム」
前編:鹿のペニス、スズメバチの子……あらゆる「精力剤」は信用できるのか?
後編:「元気ですか?」の語源と「体内時計」で読み取る正常なセックスとは

「炒めたタマネギ」で性欲を高める――ヒトは何歳までセックスできるのか?

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