2010年ごろから「アイドル戦国時代」と言われはじめ、ももいろクローバーZや東京女子流、PASSPO☆がアイドルライブシーンを盛り上げていた。その「戦国時代」の中で異色な存在を示していたのがバニラビーンズだった。
2007年にデビューしたバニラビーンズは、「北欧の風に乗ってやってきた、清楚でイノセントな雰囲気を持つ女の子のユニット」として、キャラクターもパフォーマンスも音楽性も他のアイドルグループと一線を画していた。
またバニラビーンズは異色でありながら、卓越したトーク力で対バンライブに一体感を作り、多くのアイドルから愛されてきた。
2018年10月にバニラビーンズが解散してからは、ソロで芸能活動を続けているレナさんに当時のことを聞いた。(全2回の1回目/#2へ続く)
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モー娘。にもAKBにもチャレンジした
――レナさんにはなりたいアイドル像はあったんですか?
レナ アイドルになりたかったというか、テレビの中に入りたかったんです。最初に憧れたのが安室ちゃんで、その後、芸能界に入る近道を探した時にモーニング娘。のオーディションがあって。ラッキー7オーディションでは最終選考まで残ったんですけど、面談でつんく♂さんに「もしひとりでデビューできると言われたらどうしますか?」と聞かれて、「ひとりでデビューすることを選びます」と言ってしまったんです。
――それが受からなかった原因だと。
レナ つんく♂さんのリアクションで「集団行動ができる子を探していたんだ」と気づいたんです。そもそも「芸能界への近道」と考えていた心が見透かされたのかもしれません。
――つんく♂さんにはどんな印象がありましたか?
レナ こちらに目線を下げて話してくださる方だなと思いました。これは有名な質問なんですけど、面談で「モーニング娘。を焼きそばに例えたらどこになりたい?」とも聞かれて。麺という主役になりたいのか、色付けするソースになりたいのか……私は「マヨネーズ」と答えたんですよ。「さらに美味しくする役目」ということで。
――良さそうな例えじゃないですか。
レナ 結局、私が受けたラッキー7オーディションは「該当者なし」だったんですけど、その次に行なわれたオーディションで受かったのが久住小春ちゃんだったので、即戦力を求めていたのかなって。後から「いまのモーニング娘。は太麵だから私は細麵になります」くらい言えばよかったと思いました。
――AKB48のオーディションも受けていたんですよね。
レナ その頃、片っ端からオーディションを受けていたんです。私は17歳で滋賀から出たくて、説得するためには「東京で仕事がある」という理由を作らなきゃいけないと思って。