「私ひとりでもバニラビーンズを続けたい」
――3年後に行われた単独での解散ライブ(2018年10月6日・渋谷duo MUSIC EXCHANGE)はソールドアウトだったわけで。
レナ 思わず「みんなどこにいたの?」と聞きました(笑)。人間って失ってから価値に気づくといいますか、そのようなことはデビュー当時からちょこちょこ言っていたんですけどね。『チョコミントフレーバータイム』以降、レコーディングのたびに「これが最後かも」と思っていましたから。1社目の経験があるから、2社目だっていつ切られてもおかしくないと思っていたんです。
――解散は事務所の判断だったんですよね。
レナ そうです。広告代理店という本業もあるなかで、10年は頑張ろうというのがありましたが、10年やってみて、「正直、次に何をすればいいのかわからない」ということでした。去年の6月下旬に言われたんですけど、一旦持ち帰らせてもらって。その後、解散時期を延ばすことはできないのか、と話し合いを重ねました。
2人で事務所を移籍してバニラビーンズを残す道も探ろうと思ったんですけど、相方の意思を確認したら「移籍は考えてない」と言われて。
――リサさんはこの区切りで終わらせたいと。
レナ タイミング的にも良かったんでしょうね。「私ひとりでもバニラビーンズのレナとして歌を続けさせてもらえないか」と社長に話したんですけど、それはできないと。やるとしたら、まったく違う若い2人をバニラビーンズのコンセプトにはめこむと。結局、フラワーレーベルのプロジェクトを終了させることになったんです。
――なぜバニビを続けたかったんでしょうか。
レナ バニラビーンズは自分のものでもないし、誰のものでもないけど、待っている人がいる限りは続けたい。この先もずっとゆるく続けていきたかったし、そうなるんだろうなと思っていたんです。ただ、大人たちは賞味期限切れだと思っていたんだなって。解散発表時の「バニラビーンズを守りきれませんでした」というコメントに、私の気持ちがすべて詰まっています。
――最後の単独ライブ(10月6日)ではアンコールがなかったし、泣かせるようなスピーチをするわけでもなく。でも、それがバニビらしかったと思いました。
レナ 最後に流れた映像を脇から見て泣いたけど、まだ明日(バニラビーンズに感謝祭)もあるという気持ちもあって、ステージ上では涙を見せたくなかったんです。そこがお客さんの心を掴めなかったところかもしれません。ステージ上で心を開けなかった。そんな感情を見せないアイドルについてきてくれたファンの方たちには感謝しています。