ネット発、リーダーがいない運動ゆえの弱み
対して近年の香港も、家賃の高騰や就職難・低賃金など若者のストレスが大きな環境であり、面積が狭い大都市ゆえ閉塞感も強い。
また、今回の香港の抗議運動は若者が中心で、
6月15日に発生したLの自殺が「意味がある」死をとげたような形になってしまったうえ、一部の報道や、内容の自主規制がおこなわれないネット投稿が自殺問題に盛んに言及していることが、現在の事態を生んでしまっているようだ。現在、香港の若者たちの連続自殺は、単なる政治的な意思の表出というだけではなく、徐々にウェルテル効果を感じさせる事態に変わりつつあると言っていい。
私は現時点までの香港のデモについて、
香港の情勢はなおも流動的だ。6月9日の103万人デモと同16日の200万人近いデモは、結果的に民意の力で条例改正案の棚上げという一定の成果を勝ち取った運動でもあった。だが、その後日談は徐々に後味の悪いものになりつつある。