『ハイパーハードボイルドグルメリポート』という番組を知っているだろうか。
テレビ東京の深夜枠で2017年から放送されるや、ネットで瞬く間に話題になった“グルメ番組”だ。
「食うことすなわち生きること」が番組のコンセプトなのだが、リベリアの墓地に住む元人食い少年兵や台湾マフィア、アメリカのギャングといったマジでヤバい奴らの“ヤバい飯”を撮り続けている。
不定期放送のため、半ば伝説化している同番組だったが、7月15日夜9時~、『ウルトラハイパーハードボイルドグルメリポート ~ヤバい世界のヤバい奴らのヤバい飯~』として1年ぶりに復活する。
入社7年目(当時)で番組を立ち上げた30歳の上出遼平さん。続編への思いを聞いた。(全2回の1回目/#2も公開中)
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「お前、何なの?」怒られ続けた『ハイパーハードボイルドグルメリポート』
――待ちに待った1年ぶりの放送です。
上出 ちょうど1年ですね。前回が去年の7月16日だったので。
――この1年、続編の企画は出していなかったんですか?
上出 「やらせてもらえないんですか?」って何度聞いても「いやー……」「誰々に聞いてくれ」みたいなことを繰り返されて、これは駄目だなと。レギュラー番組もいくつか担当しているので、日々目の前の仕事を粛々と……。
――例えば、これまでリベリアでは元少年兵に撮影カメラを強奪されたり、セルビアでは不法難民についていって真っ暗な夜の線路で置き去りにされたり……視聴者も「大丈夫!?」と毎回ヒヤヒヤします。番組を作っていて怒られたことって?
上出 テレビ東京局内でですか?
――はい。だから企画がなかなか通らなかったのかなと。
上出 相当あります。怒られるというか、あきれられる。「お前、何なの?」「いや、ほんとに何なの?」って。僕は「これが今テレビでやるべきことだと思います」ってお茶を濁して来たんですけど。
「本当に危ないことだけはやめてくれ」という気持ちもよく分かるんです。部下が変なことをやり始めて大怪我でもしたらシャレにならない。責任問題になる。でも、僕が上司だったら「やめろよ、やめろよ!」と言いつつ、小さな小さな声で「行ってこい」って囁く(笑)。そのパターンだと思って、危ないところに行ってはまた怒られて……それを繰り返してたら、ちょうど1年前にそれが通じなくなった(苦笑)。