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連載文春図書館 ベストセラー解剖

「カエルとサソリ」ってどんな寓話? じわじわと1年以上売れ続けている1冊

『ものの見方が変わる 座右の寓話』(戸田智弘 著)――ベストセラー解剖

2019/08/07
『ものの見方が変わる 座右の寓話』(戸田智弘 著)

 会社の朝礼や冠婚葬祭など、ちょっとしたスピーチを求められる局面は意外と多い。そのネタ元になり、さらには仕事や人生について考えを深めるきっかけにもなる数々の寓話を収録した本が、刊行から1年以上じわじわと売れ続けている。

「著者には『働く理由』という、10年以上前に出したロングセラーがあります。『働く理由』はビジネス書の定番である名言集のはしりの企画でしたが、著者の含蓄ある解説の評判がよく、長く愛される理由になりました。そこで今作も、『北風と太陽』といった寓話を題材にしつつ、同様の形式をとりました」(共同担当編集者の千葉正幸さん)

 たとえば「カエルとサソリ」。川の向こう岸に渡ろうとするサソリが、毒針を刺さないと約束してカエルの背に乗せてもらうが、本能に逆らえず川の途中で刺してしまう。そしてカエルと共に、サソリも溺れる。著者はこの話のサソリを人類に、カエルを地球に見立て、環境問題への教訓を鮮やかに引き出してみせる。

 当初想定したビジネスパーソン以外の読者層にも届いた。主婦層には、母から子へ、教訓を伝える本としても親しまれているようだ。

「刊行直後の読者の男女比は7対3程度でしたが、今では6対4くらい。年齢層も幅広いです。普遍的な内容ですし、末永く愛される本にしたいですね」(共同担当編集者の渡辺基志さん)

2017年12月発売。初版1万部。現在9刷6万4500部

ものの見方が変わる 座右の寓話

戸田 智弘

ディスカヴァー・トゥエンティワン

2017年12月14日 発売

出典元

ジャニー喜多川 審美眼と「性的虐待」

2019年7月25日号

2019年7月18日 発売

定価420円(税込)