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「まぐろきっぷで来たんですけどね、美味しかったですよ」

 それもそのはず、三崎のマグロを食べられる店があるのは駅からだいぶ離れた三崎港付近や油壺のあたり。だいたい駅名からして三崎“口”。あくまでも三崎方面への玄関口に過ぎないよ、というわけだ。駅舎に掲げられている駅名板は京急さんの遊び心で「三崎マグロ駅」などとなっているが、マグロに出会うためにはバスに乗り換えねばならない。

「まぐろきっぷで来たんですけどね、美味しかったですよ。油壺マリンパークにも行ったし」

 満足そうな家族連れの話を聞くこともできたが、今回はあくまでも駅がメインの旅。なので泣く泣く諦めたが、件の“みさきまぐろきっぷ”ではバスも乗り放題。安心してマグロに会いに行けるのでご心配なく。ちなみに三崎口駅から油壺までの延伸計画もあったが頓挫している。

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よ~く見ると駅名が「三崎マグロ駅」になっている

0時2分発特急で久里浜まで寝過ごしてしまったら……

 マグロに出会えず三崎口を後にして、次に向かうのは1942年開業の“次男”京急久里浜駅である。一度通り過ぎたところなので、もう一度京急久里浜線に乗って少しだけ戻ることになる。品川駅からだと0時2分発の特急が1時ちょうどに久里浜につく。京急の中では最も遅い時間帯を走る列車で、万が一それで乗り過ごして久里浜まで運ばれてしまえば“悲劇”確定だろう。いったいどんなところなのだろうか。

 ちょっとドキドキしながら京急久里浜駅まで戻ってきたが、これがまた驚くほどに大きな高架駅である。駅ビル「ウイング」もあるし、駅の真下には京急ストア。東側の駅前ロータリーには三崎口以上に多くのバスが発着していて、周辺もいくつもの飲食店が立ち並ぶような商業地になっていた。ホテルと思しきものは見当たらないが、どこかに24時間営業の居酒屋やファミレスなどを見つければ、万が一寝過ごしてしまってもどうにかなりそうなにぎやかな駅前である。

“終着駅次男”京急久里浜駅
「ウイング」。これまでの終着駅シリーズで最も立派な駅ビルかもしれない
駅前は賑やかな商業地