8月2日(金)、日本政府は輸出管理で優遇措置を適用する「ホワイト国」から韓国を除外することを閣議決定した。これを受けて、韓国政府は緊急閣議を開催。冒頭には、文在寅大統領が約8分間にわたって談話を読み上げ、韓国国内に生中継された。文大統領はこう述べた。「加害者である日本が盗っ人たけだけしく、大声を出す状況を決して座視しない」。

 近年の韓国大統領が、国内向けのパフォーマンスとして「反日」政策を利用し、国民感情を高めるのは常套手段だ。だがその中でも、大きく2国間の関係を深刻化させたのが、李明博大統領(当時)の「竹島上陸」である。就任当初は親日派を自称していた大統領が、なぜ反日政策に手を染めることになったのか。彼の人生を追った「週刊文春」の記事「天皇謝罪要求・竹島上陸 妄言大統領 李明博『暗黒の履歴』」(2012年8月30日号)をここに全文転載する。

「(天皇が)韓国を訪問したいようだが、独立運動をして亡くなった方たちを訪ねて心から謝罪するなら来なさい。痛惜の念だとか、そんな単語一つで訪ねて来るなら、来る必要はない」

李明博元大統領©共同通信社

 8月10日の電撃的な竹島訪問に続き、14日にはこんな発言で日本人の反感を買った李明博大統領。もともと大統領就任直後から「日本に謝罪と反省は求めない」「未来志向の韓日関係」と発言し、親日家を自称していた。それが手のひらを返したように過激な反日に転じたわけだ。

ADVERTISEMENT

 いったい李明博とは何者か? その謎に迫る前に、まず簡単に彼の来歴を振り返っておこう。