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 また、会長時代には組合潰しのため労組委員長を誘拐し、むりやり辞表を書かせていた事件も発覚。

 一方、80年代に不動産投機での蓄財にも成功。同時期に夫人がソウル市江南区内で15回も転居したことが明らかになっており、「投機のための偽装転居」と批判を浴びた。「実利主義」を如実に表すエピソードである。

 しかし師を裏切ってまで進出した政界では、現在に至るまでカネにまつわる疑惑が絶えない。

親族・側近は不正まみれ

 国会議員2期目の98年には公職選挙法違反で議員辞職。「地に墜ちた」と囁かれた。その後、恩赦によりソウル市長選に出馬し当選。その後大統領選に出馬したが、ここでも疑惑が持ち上がった。

「彼は議員辞職後、1年間アメリカへ留学したのですが、その時期にBBKという会社の株価を操作して不正利益を得たという『BBK事件』への関与が取り沙汰されました。当時彼はBBK会長の名刺も持っていたし、ある大学での講演では自ら『BBKの経営に携わっている』と明言しています」(前出・全国紙記者)

 だが捜査はウヤムヤになり、大統領選には対立候補に圧勝。大統領就任時の支持率は74%もあった。

大統領選で当選した李明博氏と金潤玉夫人©共同通信社

「盧武鉉時代はとくに景気が悪かったので、李氏の打ち出した『経済大統領』というイメージが好感された。会社経営者出身として、貧しい韓国経済を活性化できる大統領だとして当選したんです。それに加えて、貧しい生活を経験した庶民の味方だと。彼が大統領になったら韓国経済はうまくいくとみな期待したのです」(元国防省日本担当官・拓殖大学研究員・高永喆氏)

12人以上の周辺人物が逮捕間近

 だがそれから4年、大統領周辺は疑惑と不正のオンパレードなのだ。

「今年7月には彼の後ろ盾であり、政治家として実力者でもあった実兄の李相得氏が不正資金問題で逮捕されました。検察当局は不正資金の一部が大統領選の資金に流れたとみています。その他、今までに20人近くの側近や秘書が逮捕されています」(同前)
秘書を15年務めた金禧中氏、政治指南役の崔時仲氏が逮捕され、08年には妻の従兄まで逮捕された。現在12人以上の周辺人物が不正疑惑で捜査中であり、逮捕間近と目されている。

 また、自ら所有するビル内にいかがわしいサービスをするカラオケ店を入居させていたことも明るみになっている。