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特集2019年上半期の「忘れられない言葉」

2019/08/14

「ほーってなんですか」と不機嫌に

 池上彰氏に「選挙を一生懸命頑張ったところに予算を付ける」発言についてさっそく問われると、

「一生懸命頑張っていただいた人たちに対してはそれなりの対応をしていくのは当たり前のことじゃないですか」と答えた。

「当たり前のことじゃないですか」 ©文藝春秋

 それを聞いた池上氏が驚いたという表情で「ほー」と言うと、「ほーってなんですか」と不機嫌になった二階のトシちゃん。

「予算をエサにして選挙を有利に誘導しようってことじゃないですか」と池上氏が言うと、「そんなゲスなこと言ってるわけじゃない」とまた不機嫌になったトシちゃん。

 そして池上氏との時間を会話や論議ではなく、ただただ時間が過ぎるのを待つという劇的な戦法を見せたのだ。

 あのシーンは選挙特番の面白さでもあったが、こうも言えまいか。

 時間が過ぎるのを待つという二階幹事長の姿勢は、今の政治を「そのまま」体現していたのではないか?

 見事に「そのまま」あぶり出してくれたトシちゃん。

「幹事長の連続在職日数」では歴代最長の「1096日」

 さらに驚くのは、そんな二階幹事長は今月3日に「幹事長の連続在職日数」で歴代最長の「1096日」に達したのである。

 つまり、ダメ幹事長なんかでは決してなく、むしろ政権側にとっては歴代最良の幹事長なのかもしれない。この事実に驚いてしまう。

歴代最長の元「裏番長」 ©文藝春秋

 思い起こせば3年前、当時の谷垣幹事長の自転車事故が起きた。政局でもなんでもないイレギュラーな幹事長人事がおこなわれた結果、「裏番長」が表舞台に出てこざるを得なかった。急を要するからである。

 二階幹事長の登場で自民党の「そのまま」の体質が世の中に見えやすくなった。しかし一方で、それがどうしたとばかりに党や政権の“面の皮”はますます厚くなったとも言えないか。

 二階氏を見てると「そのまま」思えて仕方ないのである。