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「ダイアナは幼すぎる」なぜチャールズ皇太子はプリンセスを愛せなかったのか 挙式前“破局のシグナル”

2019/08/12
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4カ月の間にウエストが12.7センチ減った

◆7月22日
 ダイアナはウェディングドレスのサイズ合わせのため、当時はまだ無名だったエリザベス&デービッド・エマニュエル両氏の仕事場を訪れる。

 19歳でチャールズ皇太子からプロポーズされ、婚約したダイアナは貴族階級の出身。ふっくらとしたごく普通の女の子だった。エリザベスさんはダイアナの体から不吉な予兆を感じ取ったという。

 エリザベスさんは《ダイアナは4カ月の間にウエストが5インチ(12.7センチメートル)も減り、最終的にはモデル並みのサイズ23インチ(58.4センチメートル)になった。結婚式に合わせてウエストをさらに詰めなければならなかった》と番組で証言。拒食症の前兆だった。

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1986年5月、来日中のダイアナ妃 ©文藝春秋

 筆者はデービッド氏に取材したことがある。デービッド氏はこう語った。「結婚式場のセントポール寺院でも映えるように20世紀で最も長い25フィート(約7.6メートル)のトレインにした。ダイアナはロマンチックなおとぎ話やファンタジーが好きだった。大衆紙の取材攻勢を避けるため、窓はすべて覆い隠し、制作には少人数で取り組んだ」

不倫を隠すために偽名イニシャルを使った「ブレスレット」

 このあとダイアナはチャールズ皇太子の私設秘書の机の上に「CPB」と書かれた小包を見つける。ダイアナの死後、チャールズ皇太子と結婚したカミラ(C)・パーカー(P)・ボールズ(B)夫人のイニシャルだった。胸騒ぎを覚えたダイアナは私設秘書にパッケージを開けるよう命じる。

 中に入っていたのは「G(グラディス)」と「F(フレッド)」の文字が絡み合った金鎖のブレスレットだった。ダイアナは以前にもチャールズ皇太子がカミラ夫人に贈った花束を見つけたことがあった。「フレッド」から「グラディス」と書かれていた。どうみても不倫を隠すための偽名だった。

©共同通信社

 番組で証言した女性ジャーナリスト、イングリッド・スワード氏によると、《「どうしてそんなものを私以外の女性にプレゼントするの」と問い詰めるダイアナにチャールズ皇太子は「彼女にプレゼントを買っただけだよ。彼女とは良い友だちだから」》と取り繕ったという。