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「ダイアナは幼すぎる」なぜチャールズ皇太子はプリンセスを愛せなかったのか 挙式前“破局のシグナル”

2019/08/12
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「実は昨夜、チャールズ皇太子と大げんかをしたの」

◆7月23日
 バッキンガム宮殿で開かれた恒例のガーデンパーティで英大衆紙デーリー・ミラーの王室担当記者はとんでもないスクープをものにする。招待客から「お幸せに」と声を掛けられたダイアナが手で口を覆い「実は昨夜、チャールズ皇太子と大げんかをしたの。本当のけんかよ」と打ち明けた。

1986年5月、ダイアナ妃 ©共同通信社

 前夜、チャールズ皇太子は結婚する新郎が男友だちだけを集めて騒ぐパーティーに参加しており、そのことを巡って口論になったのだ。翌日、部数700万のデーリー・ミラーの1面に「チャーリーは私にとてもイライラしているとダイアナ嬢は言った」と大見出しが踊った。

 番組によれば《チャールズ皇太子は周囲に「私は祖国のために正しいことをしたいが、後悔に生きることになるだろう」と語っていた。エリザベス女王の妹マーガレット王女も「チャールズの結婚相手が見つかり本当にホッとした。しかしカミラにはチャールズを諦めるつもりは毛頭なかった」と不安を漏らしていた》という。

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1990年11月、チャールズ皇太子 ©JMPA

◆7月25日
 英イングランド南部ティッドワースでチャールズ皇太子がポロの試合に興ずるのを見学していたダイアナはフォトグラファーに一挙手一投足をフォーカスされ、気分が悪くなって、途中退席する。泣き崩れていた。

 その5カ月前、ダイアナはクラレンスハウスのベッド上に置かれた手紙を発見してビックリする。カミラ夫人からのもので、ダイアナを昼食に誘っていた。2人きりの昼食でカミラ夫人が尋ねてきた。「あなたは危険なことが好きですか」

 意味が分からないダイアナが聞き返すと、カミラ夫人は「馬よ」と言った。ダイアナはようやくチャールズ皇太子の趣味である狩猟のことだと分かり、「行かないわ」と返事した。狩猟はチャールズ皇太子とカミラ夫人の密会の場だったのだ。

 ジャーナリストで『ダイアナvsチャールズ』の著者、クリストファー・ウィルソン氏は番組で《カミラ夫人は、ダイアナがチャールズ皇太子の心をとらえることはないと思っていた》と証言している。