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 その運用については自衛隊法第百条の五で、「防衛大臣は、国の機関から依頼があった場合には、自衛隊の任務遂行に支障を生じない限度において、航空機による国賓、内閣総理大臣その他政令で定める者(国賓等)の輸送を行うことができる。自衛隊は、国賓等の輸送の用に主として供するための航空機を保有することができる」と定められている。

運用は裁量の幅が大きく、厳密なものではない

 また、ここでいう「国賓等」は自衛隊法施行令第百二十六条の十六で「天皇及び皇族、国賓に準ずる賓客、衆議院議長及び参議院議長、最高裁判所長官、内閣総理大臣、国務大臣」などとなっている。

政府専用機 ©共同通信社

 ただし、運用は政府による裁量の幅が大きく、厳密なものではない。天皇・皇后や皇太子夫妻以外の皇族が利用するケースはまずなく、国務大臣にしても、使用する場合にはその大臣の所管官庁(例えば経済産業大臣ならば経産省)が費用を負担しなければならないことから、予算措置が難しく、敬遠される傾向が強い。

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「要するに政府が、必要があると判断して了承すれば、秋篠宮さまと悠仁さまの外国訪問に政府専用機を使うことは不可能ではないのです。政府専用機は機体のトラブルに備えて予備機と2機体制で一緒に運用することになっていますが、これも絶対ではありません。天皇陛下は皇太子時代の2013年4月28日、オランダ訪問のため政府専用機で羽田空港を出発されましたが、安倍晋三首相もこの日、ロシアなど4カ国を歴訪するため、政府専用機で羽田を発っています。

 このように、2機別々の運用は可能なのです。民間機はテロリストやハイジャック犯が乗り込む危険もあります。秋篠宮さまと悠仁さまが同じ飛行機に乗られないのは当然ですが、皇位継承権があるのは現在、お二方と常陸宮さまだけです。そうした点を踏まえれば、政府専用機を別々に運用して、秋篠宮さまと悠仁さまがそれぞれ搭乗されるという選択肢があってもよかったはずなのです」(同前)