2015年6月にLCC春秋航空が中部国際空港セントレアから石家荘経由フフホト便を就航し、中国内陸部へ格安で行けるようになった(2017年9月以降運休)。

 これが大層サラリーマンに都合のいいフライトスケジュールで、金曜に1日だけ有休を取得すれば土日まるまるフフホトを楽しめて、月曜早朝帰国からのエクストリーム出社をキメることができる。ということで、2016年9月、実際に行ってきた。


フフホトで1泊2日の草原ツアーに参加

 フフホトは中国内モンゴル自治区の中央部に位置し、シラムレン草原で乗馬、クブチ砂漠でラクダ乗り、と一粒で二度美味しい観光地だ。内モンゴル自治区の観光ピークは草原が緑一色に染まる夏だから、草が茶色になり肌寒い9月は混み合うこともない。

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 草原でモンゴルの移動式住居パオに泊まれるフフホト発着1泊2日草原ツアーは880元(当時レートで13,200円)。中国人団体ツアーの倍以上はするが、英語ガイド付きの外国人向け少人数ツアーかつ1人参加だから、高くても致し方ない。このツアーで一点気になるのが、スケジュールに「collect dry cow pies」と書いてあること。乾いた牛のパイを集めるとは、ビーフジャーキーで出来たミートパイでも食べるのだろうか?

市内から車で約2時間に位置するシラムレン草原。雨が降った直後で虹が見える。

 フフホト市内観光を終えてから車で約2時間移動すると、シラムレン草原に到着。草原の葉が茶色く染まり、秋を感じさせる。四方八方から「ぶわんぶわん」と虫の羽音が鳴り響く。雨が降った直後に到着したら、草原の奥に虹が出た。パオに飾られたチベット仏教の五色の祈祷旗ルンタと、七色の虹で、色とりどりの可愛らしい風景になっている。

 宿泊はモンゴルの移動式住居パオ。中国ではトタンでできたパオ風ホテルが多いが(前回記事参照)、これはコンクリートの基礎はあれども布と木で作られた本物。トイレもシャワーもないが、やっぱりパオはこうでなくては。

布と木で作られたパオ。やはりトタンとは雰囲気が違う。

 パオは木組みの構造で、壁は格子状に、屋根は壁上端から中央に向かって木を張り巡らせて形作られている。私が持っているキャンプ用テントとは比較にならない豪華さだ。9月のフフホトの夜は少し肌寒いが、布で包まれたパオの中は暖房がなくても寒くない。

チンギスハンの肖像画が飾られたパオ内側。一人で泊るには持て余す広さだ。