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経営するのはクラブママ。日本初「水商売」のシングルマザーを支える夜間保育園の実態

『真夜中の陽だまり ルポ・夜間保育園』 前編「マミーハウス」

2019/09/30

朝、なかなか起きられないおかあさんたち

 この日は「エリカ」で働いている20代のホステスに話を聞く約束をとりつけていたが、前日の深酒が過ぎて起きられないと、ドタキャンになった。彼女はシングルマザーで、3歳と1歳の女の子をマミーハウスに預けている。

「彼女が体調が悪いのは仕方がないとして、子どもたちはどうしてるかなって気になります。おかあさんが起きられないのに食事を食べさせられているかとか、子どもだけで過ごしてストレスが溜まらないかとか……」

 この若い母だけでなく、全体に登園時間が遅いのが気になるという。

「小さな子どもにとって、生活のリズムは大切です。でも、おかあさんたちが遅い時間まで働いていると、朝はなかなか起きられないんですね。せめて午後早い時間に連れてきてくれるようにと午後2時から開けて待っているんですが。食事だって保育園で食べさせることができますし。最近は、保育士と話しているんです。もう、園バスを仕立てて子どもたちをお迎えに回るのがいちばんいいねって」

園での食事風景 

まだまだ足りない「深夜まで働く親の子ども」の居場所

 深夜まで働く親の子どもを安全に引き受ける場所はまだまだ足りない。昼間の保育園でさえ保育士不足が問題となっているなか、中洲周辺に点在する認可外のベビーホテルで保育士を確保することはほとんど不可能に近い。24時間開園のあるベビーホテルでは、深夜帯の開園時間を繰り上げる方向で検討しているとう話も耳にする。

 保育士による安全で質の担保された深夜の保育を行うためには、公的な支援は欠かすことができない。

「おかあさんたちと面接すると、親として心もとないような思いで育てているんだなってわかります。私もそうでしたし、子どもに対してすまないことをしたという思いもあります。だから、若いママたちには、子どもが小さな時期を大切にしてほしいという気持ちです。預かる保育施設の責任は大きいんです」

 草野さんは企業主導型保育園制度を利用してもう1園開園を計画していたが、許可がおりなかった。

 そこへ、マミーハウスをロールモデルに企業主導型保育制度を活用してホステスの子育てを支える保育施設をつくろうという人物が現れた。

 後編では、マミーハウスに続こうと準備が進む、中洲の小さな保育園を紹介する。

撮影・三宅玲子

真夜中の陽だまり ルポ・夜間保育園

三宅 玲子

文藝春秋

2019年9月9日 発売

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