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瀬戸物の器と木製のお椀を持ち上げる小さな手
6時半、夕食が始まった。
2歳未満の6人は室内の奥のテーブルを、少し大きな6人は手前のテーブルに座っている。布製のランチョンマットの上に、玄米ごはん、おつゆ、切り干し大根、お野菜のおひたしが並ぶ。小さな手で持ち上げる器は、瀬戸物の器と木製のお椀だ。
地味なごはんなのに子どもたちは穏やかな表情で箸を進める。食後はめいめいで食器を下げ、小さな台拭きでテーブルを拭った。
さっぱりと片づいたテーブルの上で広げたのは、糸通し、縫いさしなど、モンテッソーリ教育の「おしごと」のお道具だ。くりっとした目の男の子が黙々と糸通しをする隣で、髪をおさげにした女の子は縫いさしの手を動かしている。
ほどなくお歌遊びが始まった。
歌いなれた好きな歌なのだろう。からだを揺らし、子どもたちはゆったりとくつろいでいる。
次は学習カードを使った知育だ。カードに集中して、ひらがなを読んでいる男の子は、まだ2歳。
お布団に入る前には、絵本を広げた保育士を子どもたちがぐるりと囲んだ。
9時、室内の灯りが消えた。もぞもぞと動く子どもを保育士がとんとんする。いつの間にかみんなぐっすりと寝入った。