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特集移動編集部

ワイルドな難路に「なぜこんなところに……」秘湯中の秘湯が、執念の結晶だった話

ワイルドな難路に「なぜこんなところに……」秘湯中の秘湯が、執念の結晶だった話

白山麓の“エクストリーム温泉”その1

note

 来た道を遠目で見ると、崖にへばりつくように進んできたことがよくわかる。

大型車とのすれ違いが怖い

 編集部が「山崎旅館」に向かったこの日はちょうど道路の工事があったようで、途中大型車と数回すれちがったが、これがとにかく怖かった。道のところどころにふくらみ(のようなもの)があるので、そこを利用してすれ違うのだが、結構ギリギリに寄せる必要がある。間違いなくテクニックを要する。

注……運転に自信がない方や移動手段のない方は、事前に宿に送迎をお願いできます。

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ふくらみのようなもの

いよいよ宿へ到着

 スリルを味わいつつ、「山崎旅館」に到着した。どこか懐かしい感じのする、こぢんまりとした宿だ。

 そして、ついに待望のお風呂へ。

 開放感抜群の露天風呂は混浴。鳥のさえずりが聞こえてきたり、大自然の中で入浴する醍醐味が味わえる。夜に入ったら、こぼれんばかりの星空も見ることができるだろう。

 お湯は加水加温、循環は一切なしの24時間かけ流し。貧血や神経痛、胃腸疾患や皮膚病への効用があるという。無色透明でほぼ無臭のお湯は、飲泉もできるそう。

 近隣集落の一里野からの所要時間は車で約20分。実際来てみて感じるのは、「本当にすごい場所にあるな」ということ。「なぜこんなところに温泉を?」という質問を、3代目館主の山崎太一朗さんにぶつけてみた。