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BEAMS×週刊文春 FASHION is SCANDAL!!

2019/11/08

広島に1店舗しかないビームスをどう改装するか

全国展開するビームスゆえ、地域の特性に着目することも重要だ。

南雲 2016年に改装した広島店は店舗面積がすごく広いんですが、それはたいへん都合がよかった。

 東京のように何店舗もあれば、品揃えを店ごとに分けていってもいいのですが、広島とその近県にはビームスがここ1軒のみ。であれば、ビームスブランドのほとんどを1ヶ所で見られる大型店であることは、大きな意味を持ちます。

 広いスペースを活かしてカジュアルからスーツまで幅広い種類の商品を置き、あらゆる世代、さまざまな好みの方に来ていただける地元に根付いた店を目指しました。

 色々なテイストの売場が混在するとなると、「らしさ」や「統一感」を出すのは、大変になるのですけれどね。

 各売場でインテリアの共通項をつくって、心理的な距離を縮めてみたり、逆にセクションの間にレジカウンターを挟むなどして区画を分けてみたり。

 あれこれとテクニカルな手法を用いながら、なんとかビームスらしさを体感していただけたらと考えながら、空間をつくっていきました。

 その街の人たちと、ともに育っていきたい。それが、どこでどんな店を出すときにも、共通して思うことでしょうか。

 

 店舗づくりを通して、街のスタイリングをしているような心でいるのだという。

南雲 店頭に立って、お客様とともにスタイリングを考えていくことと、店舗をつくっていくことは、私の中ではほとんど同じ感覚です。どちらも、相手とともにスタイルを築き上げていく仕事ですからね。

 そもそもセレクトショップというのは、スタイルを売っているようなものです。

 私たちは自社で商品をイチから作るわけではありません。色々なところで「いいもの」を見つけてきて、場所の雰囲気を考えながらそれらを集めて、見せ方をあれこれ工夫しながら、皆様に「こういう素敵な世界、どうですか?」と提案をしていく。

 自分たちで素材を編集することによって生み出した、スタイルを売っているわけです。

 スタイルを伝えるためには、どんな商品をどう置くかということが、まずはもちろん大切。同時に、どのような空間にお客様を招き、どんな気分で商品を見ていただけるかというのも、同じくらい重要になります。すべての店舗で、コンセプトもデザインも変化させていくのは、スタイルを売る私たちセレクトショップとしては、当然の営みと考えています。

 そうした思いをたっぷりのせて、ビームスのあらゆる店舗はできています。ご来店いただいた際には、商品との出合いとともに、空間そのものも楽しんでいただけたら嬉しいですね。

なぐもこうじろう 1964年生まれ。1986年ビームス入社。「インターナショナルギャラリー ビームス」販売スタッフ、同店店長、全店のVMD(Visual Merchandising)統括などを経て、2010年よりビームス創造研究所クリエイティブディレクター。内外の店舗やオフィス内装のデザインディレクションを手掛けている。

週刊文春が迫る、BEAMSの世界。 (文春ムック)

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文藝春秋

2019年10月29日 発売

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