タイトルを獲得した新人王戦優勝経験者は16名
では、過去の新人王がその後、どのような活躍をみせたのかを追っていきたい。
新人王戦で優勝した棋士は総勢37名。森安秀光九段、森内俊之九段、藤井猛九段の3名が3度の優勝を果たしており、準優勝に終わった増田もその仲間入りを目指して番勝負を戦っていた。また2回優勝したのは石田和雄九段、青野照市九段、小野修一八段、丸山忠久九段、山崎隆之八段、佐藤天彦九段の6名である。
そして、新人王戦優勝とタイトル獲得経験の双方がある棋士は森安秀光九段、田中寅彦九段、中村修九段、塚田泰明九段、森内俊之九段、羽生善治九段、丸山忠久九段、藤井猛九段、三浦弘行九段、木村一基王位、渡辺明三冠、糸谷哲郎八段、佐藤天彦九段、広瀬章人竜王、永瀬拓矢二冠、菅井竜也七段の16名だ(新人王戦優勝順)。
タイトル経験者の数は先日の木村新王位で44名となったが、そのうちの15名ほどは新人王戦がない時代に獲得した、あるいは第1期の時点で参加資格がなかった棋士なので、実質、タイトル経験者の半数ほどが新人王戦で優勝している。そして永世称号保持者で新人王戦優勝経験があるのは森内九段、羽生九段、渡辺三冠の3名である。
第1期の決勝三番勝負は……
ちなみに将棋大賞の新人賞受賞経験者は、第1回受賞の森安秀九段から前年度受賞の大橋貴洸六段までを含めて46名いるが、こちらは一度受賞すると受賞資格がなくなる。そして、タイトル経験のある新人賞受賞者はこれまでに23名いる。
また、新人王戦を優勝した年度の新人賞を受賞した棋士は森安秀九段(1973年)、丸山九段(94年)、山崎隆之八段(2000年)、松尾歩八段(01年)、田村康介七段(03年)、糸谷八段(06年)、村山慈明七段(07年)、佐藤天九段(08年)、永瀬二冠(12年)の9名である。
まず、第1期新人王戦が行われた時代がどのようなものだったかを見ていこう。第1期の決勝三番勝負は山口英夫五段と橋本三治五段(段位はいずれも当時)の対戦となり、2-0で山口が初優勝を果たした。