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掃除機としての性能は?

 災害への備えに最適だとしても、家電としての使い勝手も無視することはできません。用途に合わず普段使いしなくなってしまったら、災害への備えとして機能しなくなってしまうからです。

 特徴は、なんといっても本体の軽さ。もっとも高電圧・高アンペアバッテリーのモデルで1.5kg、もっとも軽量なモデルだと0.81kgです。スティック掃除機で人気のダイソンの場合、多くのモデルが2kg台半ばの重さなので、マキタの軽さが際立ちます。

 肝心の吸引力はフローリングのゴミを吸う分には必要十分で、強さを切り替えられるモデルの「標準」でもちゃんと吸い込んでくれます。

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 連続使用時間は、最上位モデルにセットされる18V・3.0Ahでは「パワフル:15分、強:20分、標準:50分」、手軽さで人気の10.8V・1.5Ahでは「パワフル:10分、強:12分、標準:25分」となっています(詳しくは同社ホームページをご覧ください)。広い家を隅から隅まで掃除するには心もとないですが、一人暮らしであれば十分。階段などのスポット使用や毎日のちょっとした掃除用と割り切る用途もありでしょう。

 ヘッドには、一般的な掃除機に備わっているモーターブラシはなく、いたって質素。人によっては“チープ”と感じるようですが、シンプルな構造のため髪の毛などが絡まることもなく、ヘッド部のお手入れはほぼ不要です。簡単に水洗いできるので、掃除機を使うのがためらわれる玄関や土間などの“半屋外”でも気軽に使えます。

ヘッドはシンプル構造

マキタの充電式クリーナが万人向けではない理由

 ただし弱点もあり、前述した利点をひっくり返せばデメリットに転じます。一般的な掃除機が、なぜお手入れに手間が掛かるブラシヘッドを採用するかというと、カーペットの中に入り込んだゴミを掻き出すため。マキタはこの点、決定的に弱い。「じゅうたん用ノズルDX」というオプションパーツもありますが、一般的な掃除機と同程度の機能は期待しないほうがよいでしょう。

 また、カタログ表記上は軽さが際立つものの、実際に持ってみると意外にずしりと重さを感じます。これはバッテリーを装着する手元にもっとも負荷が掛かるためで、床を掃除するには重心バランスが悪いのです。力仕事が得意でない方は軽いバッテリー搭載モデルを選ぶのが無難ですが、それでも重さの印象は大きくは変わらないと思います。

バッテリーはここにガシャコンと装着
手元に重心が掛かる構造。ちなみに旧モデルのパイプは単に差し込むだけの構造だったのが、ブラシレスモータ採用の最上位モデルではロック式が採用されました

 一方、ヘッドを持ち上げる必要のある場所、例えば階段などを掃除する際には取り回ししやすく有利。一長一短なので、自分の用途に合うかどうかの判断が必要です。