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始まりは「知らない人が家にいる」という子供の言葉だった。ある新築一戸建て物件でおきたこと

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怪談和尚の京都怪奇譚 「知らない人」#1

2020/01/01

首を絞められて青ざめた息子!

 その夜も夫の帰宅は12時をまわっていました。帰宅した夫は、子供の寝顔を見るのが習慣となっていましたので、子供部屋に行きました。

 その時「おい、どうした。大丈夫か」と夫が叫ぶので、見に行くと、布団に横たわったままの息子は、顔が青ざめ、手足を苦しそうにばたつかせていたんです。

 夫は子供を抱きかかえ、落ち着かせて話を聞きました。すると、「おばあちゃんが、僕の上に乗ってきて、首を絞めたの」そう言う息子の声は、明らかに恐怖に震えていました。

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「僕が首を絞められていた時、おねえちゃんが止めに来てくれたの。でもおばあちゃんはやめなかった」そこまで話すとまた泣いてしまいました。

「おじさんもおばあちゃんもやめてー」

 しばらくして泣き疲れた息子は、夫の腕の中で、ようやく寝息を立てはじめました。「明日になったら病院へ連れて行こう」と、夫婦で話をしていたその時です。「バタン」と突然、子供部屋の扉が音を立ててひとりでに閉まったんです。

 その直後、「ガシャン」という音と共に、キッチンの食器が勝手に落ちて砕けました。

 音に驚いた息子が目を覚まし、また泣き出しました。そしてパニックを起こしながら色々な所を指さしてこう言ったんです。

「おじさんもおばあちゃんもやめてー」

「おねえちゃん逃げてー」

「おにいちゃん助けてー」

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「バタン、ガシャン、ドンドンッ」タンスや戸棚の扉、椅子や机が勝手に動いていました。私たち夫婦には、何が起きているのか理解できない状況でした。

 夫と目があった瞬間、夫が叫んだんです。「外に出よう」と。