「ロンドンって修羅の都市じゃん!」はナンセンス
と、危機感を煽ってしまったが、「ロンドンって修羅の都市じゃん! 怖い!」と、ロンドンにだけビビるのはナンセンスだ。外務省は折りに触れ、欧州全体でのスリ・置き引き被害率が際立っていることを注意喚起している。ロンドンだけではないのだ。
そして、地域別の海外邦人援護総数だと北米がトップだし、大使館による援護件数はタイがダントツで高いというデータもある。
結局、多様な常識、境遇、倫理観を持った人間がひっきりなしに訪れ、交流が生まれている場所で、予想もしない犯罪にあう可能性がでてくるのは当然のことで、そこに行くうえでのリスクに対して対策をしてこそ、メリットを楽しめるのだとも思う。
外務省の海外安全ホームページにも例が書いてあるが、海外で財産や身の安全を守るためにできることは、もちろんたくさんある。
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・ひとつの財布に入れるのは数千円以下にする
・パスポート本体は極力持ち歩かず、宿泊先でも金庫などに入れておく
・お金・クレジットカードは「何となく分けて入れる」ではなく、持ち歩く財布、持ち歩かない財布を作って、確実に分散しておく
・カバンはいつも目に入る体勢でかけ、リュックは避ける
・カバンのファスナーは最後まで締める
・店に入った時は、荷物は膝に置くか、下に置いて両足で挟む
・歩きスマホをしない
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などなど。「油断してないぞ」という姿勢を見せているかどうかで、犯罪に遭う確率は格段に低くなるはずだ。
「日本はやっぱり安全ですね!」に言いたいこと
そしてもちろん、日本でだって、公共の場で「ほどよく警戒する」ことは大切だと思う。今は「治安がいい」と言われているし、たとえばファーストフード店の場所取りでスマホを置きっぱなしにしていてもほとんど盗まれないような国だけれど、残念ながらこれからどうなるかわからない。国や地域の財政状況は、治安と分かち難く結びついているということを、今回実感した。
私のツイートへのメンションを見ていると「日本はやっぱり安全ですね!」と日本の治安を誇るような声も多かったのだけれど、ぜひ他人事だと思わずに気をつけてもらえれば幸いだ。ロンドンのパブどころか、上野のもつ焼き屋でiPhoneを置き引きされたことのある女からの、精一杯のお願いである。