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デビュー45年に オール巨人が語る「アンタッチャブルの復活と漫才師としての引き際」

デビュー45年に オール巨人が語る「アンタッチャブルの復活と漫才師としての引き際」

オール巨人さんインタビュー#3

2019/12/22
note

オール阪神・巨人をテレビで見る機会が減っていく?

――15分間、あのスピードと、あの声量で、しかも、きっちり流れをつけてしゃべれるコンビは今、他にいないのでは。

巨人 いやいや他にもいてるでしょ。一度、東京の営業で、25分間お願いしますと言われたこともありましたね。でも、やりましたよ。2本、組み合わせたらええだけの話なんで。ぜんぜん違うネタでも、間でしゃべる言葉を選べば、ぜんぜん気にならんようにつなげることはできますから。

――25分間やったら、さすがにグッタリきますか。

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巨人 そうでもないけどね。

――それだけの力を維持していても、今後はどんどんテレビで観る機会は減っていく可能性があるわけですね。

巨人 まったく出なくなることはないでしょうけど、滅多に出ないという風にはなるかもしれないですね。勝手な話ですけど、いいネタができたら、やりたいんですけどね。今回の『THE MANZAI』も、じゃあ、そこでやるネタがあるのかというのもありました。若い子ばっかりのお客さんの前で、どうなんやろな、今も僕たちは出ていけるんかな、と。ウケても、普段と違うところでウケるのも気持ち悪いんですよ。ゴルフで言えば、ぜんぜん思ったところに当たってないのに、結果、いいところに飛んで行ったみたいな。まあ、期待されてるわけでもないのに出て行って、どうすんのというのがあるじゃないですか。

劇場に立ち続けるオール阪神・巨人

劇場のネタはテレビでは絶対にやらない

――期待されているから、お声がかかったわけですよね。

巨人 本当はありがたい事で、行きたいと少しは思うんですが、他の仕事もあったし。ん~ん、例えば、老人ホームのおじいちゃん、おばあちゃんの会場に若手が出て行って、めっちゃスベる! その逆のような事になったらイヤですしね(笑)。

――そんな(笑)。

巨人 それは冗談としても、この前も、ある局で正月番組の収録があったんですけど、何が嫌って、公開録音なのにお客さんからお金を取るんです。それにものすごく違和感がある。僕らは劇場でかけるネタは、テレビでは絶対にやらないようにしてるんです。なぜなら、お金を払ってわざわざ劇場まで足を運んでくれたお客さんを「テレビで観たことあるネタや……」ってがっかりさせたくないから。お金とってるお客さんに、テレビ用のネタをみせるということが、申し訳なくて。なので、そういう番組も今後は遠慮しようかなと考えてるんです。僕をここまで育ててくれたのは劇場のお客さんだという恩義がある。なので、やはり劇場のお客さんを優先したい。M-1の審査員も、劇場の出番を休んでいきますからね。それもお客さんと相方に申し訳なくて。