2004年のM-1チャンピオン・アンタッチャブルが約10年ぶりに復活。『THE MANZAI』で見せた新ネタも話題になった。

 じつはその『THE MANZAI』への出場を見送っていたというオール阪神・巨人。「テレビでの漫才が好きじゃない」という理由とデビュー45周年を迎えるにあたり、たどり着いた“究極の漫才論”とは? (全3回の3回目/#1#2へ)

じつは今年の『THE MANZAI』への出場を見送っていたというオール巨人さん

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10年ぶりアンタッチャブルの復活をどう見た?

――先日、アンタッチャブルが復活し、大きな話題となりました。相方のザキヤマ(山崎弘也)さんが登場したときの柴田英嗣さんの表情が印象的でした。本当に嬉しそうで。

巨人 よかったよなぁ。みんな待っとったし、おもろいしな。まだ、ネタになっていないところもあったけど、今は、その方がおもしろいんですよ。内容というよりは、復活した彼ら2人に注目が集まってますから。極端な話、何をやってもいい。

 

――会話の延長が漫才だという言い方をよくしますが、『THE MANZAI』で披露した新ネタは、会話っぽい漫才というよりは、漫才っぽい会話のようでしたね。それが瑞々しくて、かえってよかった。

巨人 この前、僕もあるところに営業に行ったんですけどね。500人くらいおったかな。ほとんどがオッチャンで、みんなご飯を食べて、お酒も飲んだ後なんです。そういう席がいちばん難しい。前に出た若手がことごとく滑ってました。まあ、滑るやろうと思いましたけどね。あんなところで普通に漫才をやっても絶対、ウケませんから。みんな漫才師が来ただけで、始めはわーっとなってる。しかしある程度集中力を要するネタを聞こうという態勢になってない。そんなときは、普通のおっちゃんと気楽にしゃべるような感じで入って、ちょっと和んできたらネタを入れて、また普通のしゃべりに戻して……という具合にやらせてもらいました。これが漫才という芸のいいところやね。お客さんに合わせて、なんぼでも変えられる。

なぜ『THE MANZAI』に出なかった?

――その『THE MANZAI』ですが、オール阪神・巨人もオファーがあったそうですが、仕事の都合で出られなかった、と。普通は、調整をつけてでも出たい、という舞台なんですよね。

巨人 無理をすれば行けた!……という感じではあったんやけどね。でも昔からテレビで漫才するの、好きじゃないんですよ。時間とか、放送コードとか、いろんな縛りがあるでしょう。

――普段、トリで舞台に立つ場合は、持ち時間は15分なんですよね。

巨人 他の組は10分で、最後の2組が15分くらいかな。でも、僕らはだいたい17分ぐらいやってるね。15分のところを12、3分とか、10分くらいで終わらせてしまう方もいますが、それはそれで別にいいんですよ。僕らは持ち時間より短くするということは、まずないですね。