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どうやら「健康警察」の次のターゲットは「アルコールは少量でも身体に悪い」らしい

酒飲みにとって、アゲンストの風が吹き始めている

2019/12/26
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「酒は百薬の長」ではなかったのか

 まあ、タバコが身体に悪いというのはよく分かる。たくさんタバコを吸った後は、世の中が違った色で見えるほど気持ち悪い不思議な感覚になりました。肺が真っ黒だ、痰が止まらない。若い頃はまだ体力に勢いがあったので「タバコをやめるぐらいなら人生終わってもいい」ぐらいに思っていた時期もありました。でもやっぱりタバコをたくさん吸うと具合が悪いのは事実であって、禁煙ブームが来る一足先に自力でタバコをやめられたのは私のささやかな誇りです。

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 一方、酒はどうなのだ。確かに飲み過ぎると辛いのは紛れもない事実であります。しかしながら、頭にこびりついて離れない、「酒は百薬の長」という言葉。また、友人と割り勘で飲みに行くと、下戸ほど損をするという我が国特有の文化があり、酒を飲まなければ「割り勘負け」をするという真実を突きつけられると、外で酒を飲むほどにどうしてもたくさん頼み、たくさん飲み、へべれけになって家族の冷たく白い目に迎えられながら帰宅、という塩梅になるのです。

長時間飲み続けていれば幸せ

 私の友人には、高いワインを愛好する人もおれば、高級ウィスキーを嗜む人もいます。年を取るほどに趣味が高じてしまい、ワインセラーに詰まった何千万、何億ものワイン代が負担となり、飲むための高いワインなのに開けるに開けられない、飲むに飲めないという自縄自縛にハマり込む愚か者もいます。そんなの簡単な話で、私が彼の家に行けば高いワインを順番にコルク飛ばして飲み干してあげるというのに、なぜ私をあまり誘わないのでしょう。

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 そんな私と言えば、自分が買って日ごろ飲むものはひたすら国産のおいしいビールであり、長時間飲み続けていれば幸せという安上がりな人物であるため、経済的な理由で酒に押しつぶされることはありません。唯一の弊害は、昔Twitterのアカウントがあった時代に、酒を飲みながらTwitterをやり、手あたり次第に煽っていたらアカウントをBANされてしまったという記憶があるぐらいです。飲酒運転と飲酒ネット利用はやめようという教訓は身をもって説明できるわけであります。