女性差別と闘うことは女性らしい格好を否定するものではない
そしてもう1つこのドキュメンタリーで注目したいのが、今さんが女性の素敵なファッション広告のパネルを見て「こういうブランド着こなせるようになりたいんだけど。いや引退したらね」と話すシーン。
女性差別と闘うことは何も女性らしい格好や素敵な服装を否定するものでは全くない。相撲に打ち込み、男性と同じ、相撲にチャレンジする環境が欲しいと訴える彼女が、女性のファッションを見て「着こなしたい」と思うことになんの矛盾もないのだ。どんな洋服を良いと思おうと着ていようと、女性差別を受け入れなければいけない人間など一人もいない。
同じ職場、仕事内容ならば男性が履いている靴で働いても良いでしょうと闘う人間が、プライベートで自分の履きたいときに履きたいタイミングでヒールの靴を履くことになんの問題もないように。
私は今さんの活動、ドキュメンタリーを見て声を上げ続けなければいけないと思った一人だ。そして、多くの人が私と同じような気持ちになるのではないだろうか。
色んな立場から女性差別と闘う人たちがいる。そんな人たちを「モテない女の僻み」だとか「要領良くやってりゃいいのに」などと言ってバカにするのはもう時代遅れ。
今さんは最高にクールでチャーミングな、女性差別と闘う「相撲人」なのだ。全力で支持していきたいと思う。